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はじめてのクリスマス

はじめてのクリスマス(偕成社)

人気コンビがおくる、新作クリスマス絵本

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新装版 ゆきがやんだら

新装版 ゆきがやんだら(Gakken)

一面真っ白の雪景色で、心が温まる親子のおはなし

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はしの

パパ・40代・神奈川県、男15歳 女13歳

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自己紹介
高校1年生の男の子と中学2年生の女の子の父親です。
好きなもの
音楽を聴き、そして演奏すること、そして本を読むことが好きです。
特に、「子どもの本」が好きです。絵本も好きですが、児童文学やヤングアダルトが特に好きな分野です。
ここでは、絵本に絞ってレビューを書いています。
ひとこと
会社員にもかかわらず、40を越えてから、保育士の資格を取得しました。将来は、もっと子どもに近い仕事をしようと思っています。子どもたちの笑い声や彼らの感性をいとおしく思います。そのような想いを私に伝えてくださった、新澤誠治さんと佐々木正美先生が大好きです。

はしのさんの声

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ふつうだと思う 成長のあかし  投稿日:2009/07/31
あなたをずっとずっとあいしてる
あなたをずっとずっとあいしてる 作・絵: 宮西 達也
出版社: ポプラ社
「ティラノ」シリーズの第4弾です。

マイアサウラのおかあさんが温めていたたまごからかえったのは、怖ろしいティラノサウルスでした。一度は捨てようとしたおかあさんでしたが、二度とはなしたりしないわ、とあかちゃんをだきしめます。

「産みの親より育ての親」ということでしょうか。長い間、たまごを温めている間に、理屈では説明できない愛情が、マイアサウラのおかあさんに芽生えていたのでしょう。

成長したティラノサウルスは、あるとき自分そっくりの姿をした恐竜に出会い、大きなショックを受けます。
「今」の自分と「これまで」の自分が違うということに気がついてしまったのです。そして、自分がティラノであることを受け入れたからこそ、おかあさんのところからいなくなってしまったのでしょう。
自立した、ということなのかもしれません。
そして「これから」も、自分は何ものなのかを考え続けることでしょう。
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ふつうだと思う 無償の愛  投稿日:2009/07/31
ぼくにもそのあいをください
ぼくにもそのあいをください 作・絵: 宮西 達也
出版社: ポプラ社
「ティラノ」シリーズの第五弾。
年老いたティラノサウルスが、かつて自分を守ってくれたように、トリケラトプスのおとうさんは、ギガノトサウルスから子どもたちを守りました。
力よりも強く大切なものがある、それは愛、とお父さんは言います。そして、子どもがポツリと言ったことは「ぼくにもそのあいをください」でした。

老いたティラノサウルスからトリケラトプスのお父さんには、愛が伝えられたと思いますが、「あいをください」言った、こどものトリケラトプスには、愛がなんなのか、まだわかっていません。

愛は、何かの代わりにあげたり、もらったりするものではありません。トリケラトプスのこどもも、きっといつか、そのことに気づくでしょう。そのように、いつのまにか、次から次へと心をつなげていくことが愛ではないでしょうか。

このシリーズは、対象が幼児になっていますが、幼児には難しい内容です。おまけに、どの本がどういう内容だったかわからなくなります。
しかし、恐竜が出てくるということだけでも、子どもたちは興味を示してくれるでしょう。
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なかなかよいと思う 自分の気持ち 相手の気持ち  投稿日:2009/07/31
わたしはあなたをあいしています
わたしはあなたをあいしています 作・絵: 宮西 達也
出版社: ポプラ社
「ティラノ」シリーズの第6弾です。

実は、ティラノサウルスは心が優しいということが伝わってくるお話です。
ティラノサウルスと3匹のホマロケフェレとは、まったく言葉が通じません。しかし、互いの言葉を知らなくても、両者の関係はどんどん親密なものになっていきます。

ティラノのために採ってきた赤い実を、ティラノが食べないので、ホマロケファレが悲しそうな顔をしていました。そんなホマロケファレに気づき、「うまい!うまい!」と無理矢理、口に入れるティラノ。
言葉がわからなくても、それ以外の方法で、人に気持ちは伝わるんですね。また同様に、伝えることもできるんですね。

雪の降るなか、3匹のホマロケフェレを抱き、涙を流しながら歩いていくティラノの姿を見ていると、どうしたらこの3匹を助けてやることができただろうか、と自分のことのように考えてしまいました。雪のなか、また一人ぼっちになってしまうティラノのことを思うと、心が苦しくて、仕方なくなります。

このお話ならば、幼児の心にもストレートに伝わると思います。
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自信を持っておすすめしたい きみだって、ひとりじゃないんだ!  投稿日:2009/07/31
あいしてくれてありがとう
あいしてくれてありがとう 作・絵: 宮西 達也
出版社: ポプラ社
「ティラノ」シリーズの第7弾です。

この絵本を読むと、現代の子どもたちの姿、いやもしかしたら大人もそうかもしれない問題がうかびあがってきます。

強くて嫌われ者のティラノサウルスは、夜一人になると、「ともだちか……。おれは ひとりぼっちだ。さ、さみしい」と本音を吐きます。
心根は優しいのに、強がって、ちょっかいを出したり、いきがったり。
そんな不器用な子どもの姿が目にうかんできます。

そしてパウパウサウルスは、「わたしなんて、いないほうが いい。目がみえないし、ともだちも ひとりも いない。だれかに なにも してあげられない。わたしなんか うまれてこなければ よかったんだ」
と泣きます。
同じように悩んでいる人はいませんか、私なんか生まれてこなければ良かったんだ、と。このように感じたことがある子どもは多いのではないでしょうか。苦しいけれど誰にも打ち明けられない、そんな孤独感を抱えてしまっている子どもです。

ティラノがパウパウサウルスに投げかけた言葉、「うまれてこなくていい やつなんて いないんだ!!」
この言葉を苦しんでいる子どもたちに伝えたい。
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ふつうだと思う ちょっとひっかかったたこと  投稿日:2009/07/27
あおいぼうしののんちゃん<復刊傑作幼児絵本シリーズ 6>
あおいぼうしののんちゃん<復刊傑作幼児絵本シリーズ 6> 文: 松谷 みよ子
絵: 渡辺 三郎

出版社: 復刊ドットコム
この絵本を最初に読んだとき、あじさいの花の色がきれいで、梅雨の季節にはぴったりだなと思いました。

しかし、読んだあとに、どうしても心にひっかるものがあり、幾度か読み返しました。これは私だけの感覚なのかもしれません。しかし、どうしても気になるのです。

あじさいから花をもらったのんちゃんは、ねこやあかちゃんやとりにわけてあげます。
このとき、私の目にうかぶのは、1歳半くらいの子どもが、周囲にいる人たちに、はい、はい、とくりかえし自分の持っている物を手渡しているシーンです。きっと大人がもらっていたなら、「ありがとう」とか「のんちゃんはやさしいね」などとほめるので、ますますよろこんで同じことを繰り返す、そんな光景です。一種の遊びですよね。

しかし、あじさいのおかげで、犬から逃げることができたのんちゃんが、自分の帽子をあじさいにあげることは、あじさいをわけてあげることは異なる行為に思えます。これはただの遊びではなく、自分の持っている物をお礼にあげるという「自分」を意識的に抑えた行動ではないかと思うのです。

そのあたりを渡辺三郎氏はよく書き分けられています。
ねこやあかちゃんやとりに花をわたすときののんちゃんは、微笑んでいますね。しかし、犬のときはどうでしょう。のんちゃんは犬が怖かったのでしょうね。遠くから「あげる」と言っているのんちゃんは、不安げです。そして、自分の帽子をあじさいにあげたときののんちゃんの顔は、どこか不満そうな表情をしています。自分のものを他者に分け与えるのは、のんちゃんにとっては、大変な出来事だったのだと思います。

深読みのしすぎかもしれませんが、現実の子ども行動や表情を思い出させてくれる絵本だと思います。
ぜひ、お母さんからお子さんに読んであげて欲しい一冊です。
【事務局注:このレビューは、2008年刊行に寄せられたものです。】
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なかなかよいと思う まぶしい日ざしの中へ  投稿日:2009/07/22
ロジーナのあした
ロジーナのあした 作: カレン・クシュマン
訳: 野沢佳織

出版社: 徳間書店
この本を読んで一番最初に思ったことは、今やアメリカ屈指の都市であるシカゴに、かつては多くの孤児がいて、西部に養い親を探しに行かなければならなかったという事実です。
孤児たちが移動した距離は想像できないほどです。アメリカの中部から西部へ列車で移動するのですから。

孤児たちは、アメリカは広くて大きいということを実感します。窓に写る見たことのない風景が、列車が進むとともにまた変わっていくのです。本を読んでいる自分も孤児たちと一緒に旅をしているように感じました。

旅の途中、些細なもめごとや事件が起きたりしますが、そんなことはお構いなしに、列車は西部を目指して走り続けます。そして途中下車して「品評会」でおめがねに適った孤児だけが、養い親に連れて行かれるのです。幸か不幸か、最後まで残った孤児は、ロジーナでした。

物語が終わりに近づくにつれ、いったいロジーナはどうなるのだろうと私は心配でたまらなくなりました。できるならば、しあわせになってほしいと願いました。
こんな弱気の私と違い、ロジーナは、しあわせになるためのきっかけを自分で考え、自分でつかむのでした。

ロジーナが、将来、どうなるかはわかりません。
しかし、「カリフォルニアの、まぶしい日ざしの中へ」歩き出した彼女なら、自分自身の手で道を切り開いていくことでしょう。

私が図書館から借りてきたにもかかわらず、私より先にこの本読んだ中学1年の娘から「おもいろいよ」と勧められてしまいました。まぶしい日ざしの中へ歩き出したロジーナのように、ゆっくりで構わないので、我が娘も自分の道を見つけてほしいと思ったのでした。
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自信を持っておすすめしたい 自分は自分でしかない  投稿日:2009/07/17
風の靴
風の靴 作: 朽木 祥
絵: 柏村 勲 服部 華奈子

出版社: 講談社
兄が合格した私立学校の受験に失敗した公立中学に通うの海生。幼い頃から優秀な兄と比較され育ってきた海生は、受験に失敗したときから、その学校の高校受験勉強をさせられいます。そんな状況に耐えられなくなった海生は、親友の田明とその妹と一緒に、亡くなったばかりの祖父のヨットで家出をするのでした。

この物語では、中学生がヨットを操縦することに驚かされますが、それ以外には、大きなトラブルは起きません。ただひたすら目的とへと向かう子どもたちの様子とヨットが走る海と自然の姿を淡々と描写しています。海生たちと一緒に、読者は、海の様子や海から見える景色を思い浮かべながら、知らず知らずのうちに読み進めていくことになります。

私は、この本のおしまいのあたりで、涙がでそうになりました。海生の抱えていたコンプレックスがばかげたものであることに海生が気づくのです。
いろいろな場面で他人と比べられることが多い現代の子どもたちが、海生と同じような苦しみを背負っているならば、ぜひ、この本を読んで欲しいと思います。

そして改めて思うことは、第三者的な大人の存在の大切さです。この物語で言えば、祖父や、航海の途中で「出会う」大学生のことです。いわゆる「斜めの関係」の大人たちです。海生たちのように、多くの子どもたちが、斜めの関係の大人たちと出会って欲しいと切に願います。

航海の様子があまりにも楽しいので、海生たちのたどる道筋を地図にしてくれたらもっと楽しめるのに……と思いましたが、よくみると、後ろの見返しに、それらしきものが簡単に描かれていました。これは詳細な地図をつけて、読み手の想像力を途中で切らさないようにするための配慮なのではないかと思います。

小学校高学年以上の子どもたちにオススメの一冊です。
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自信を持っておすすめしたい がぶり ごぶり  投稿日:2009/07/17
かえる ごようじん
かえる ごようじん 作・絵: ウィリアム・ビー
訳: たなかなおと

出版社: らんか社
無類のかえるキャラクター好きの私ですが、この絵本にはおどろかされました。

森の奥深くのとんでもなくおそろしいところに一人で住んでいるおばあさん。そのおばあさんの味方は、一匹の小さなかえるだけ。家を囲む柵の扉に「かえる ごようじん」というふだをつけておきました。

実は、このかえる、次々とやってくる魔物を食べてしまうのです。
「ところが、なんてことでしょう。このかえるときたら、」でページをめくると、左側に大きな文字で「がぶり ごぶり」、右側のページには、なんと魔物を口にくわえたかえるの姿が……。口からはみ出しているのが、手だったり、足だったり、しっぽだったり、魔物たちが着ていたり持っていた物だったりで、とてもリアルでグロテスクです。ちょっと怖いです。かえる好きの私が言うのですから間違いありません。

さて、ここで「う〜ん」とうなってしまうのが、これを子どもたちに見せて良いものかどうか、ということです。
でも「このかえるときたら、」と言いながら、ページをめくり、「がぶり ごぶり」と大きな声で言っている自分を想像してみると、周りには、「うぉー」とか「すげぇ」とか「キャー」とか言いながら騒いでいる子どもたちの姿が見えてきます。
うん、きっと大丈夫。それに、これがかえるの真の姿ですから仕方ありません。

色あざやかではっきりしており、遠目もききそうです。読み聞かせにも良いと思いますが、やはり聞き手とその場の雰囲気を選んだ方が良いでしょう。

冒頭に「すべての食用ガエルに。」と奉げられています。作者はかなりの皮肉屋みたいですね。
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ふつうだと思う 元気な商店街で起きた不思議な事件  投稿日:2009/07/17
幸福3丁目商店街たこやき探偵団あらわる
幸福3丁目商店街たこやき探偵団あらわる 作: 村上 しいこ
出版社: 理論社
特に小学校中学年に向けた、理論社が新しく始めた「おはなしルネッサンス」シリーズのなかの1冊。

こんな商店街でワイワイガヤガヤできたら、子どもは楽しいだろうと思います。現実にはシャッター商店街と言われるほど、元気のない商店街が増えてきています。

しかし、この物語の舞台である幸福3丁目商店街は、人間味があふれ、何か事件が起こると商店街じゅうに騒ぎが広がっていくという昔ながらの商店街です。作家や画家や編集者の方々は、実際に西荻窪と阿佐ヶ谷の商店街で取材を行ったそうです。どうりで臨場感があるわけです。

この物語をよりおもしろくしているのは、関西弁の会話です。生き生きとした会話がポンポンと行きかいます。

さて、こんな楽しそうな商店街で起きた不思議な事件。小学三年生で結成された「たこやき探偵団」はどんな活躍?をするのでしょうか。
この本を読んだ子どもたちは、「お好み焼き探偵団」や「もんじゃ焼き探偵団」などを結成したくなるに違いありません。
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ふつうだと思う 子どもたちに嫉妬してしまう  投稿日:2009/07/15
空の飛びかた
空の飛びかた 作・絵: ゼバスティアン・メッシェンモーザー
訳: 関口 裕昭

出版社: 光村教育図書
美術には詳しくないので表現に間違いがあるかもしれませんが、鉛筆で描かれた写実的で繊細なデッサンです。
ときどき色が混じることもありますが、白地に主に白と黒とであらわされた絵は、一見、とても真面目な内容に思えます。表紙を見て、中身をパラパラめくるだけでは、この本がもつユーモアはわかりません。
そうかといって、テキストだけ追っていっても、「である調」の削りに削った文体は、いたって真面目なものです。
つまるところ、絵を中心にテキストは補助的に読んでいくことが、この絵本には適していると思います。などということを細かく分析しても仕方がないことですが、そういう読み方をするのであれば、大人向けの絵本だと思います。
しかし、子どもたちならば、この絵本を、絵だけ「読んで」楽しむことができるのではないか、と少々嫉妬してしまうのです。
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