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友だちがほしい!
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投稿日:2009/07/02 |
とてもちいさなおんなのこフローラ。のいちごやカエルやハリネズミなど自然の友だちにかこまれてしあわせに暮らしています。テントウムシの大きさから判断すると、フローラは親指くらいでしょうか。
ある雨の日に、フローラはふと思います。「どもだちが ほしい!」と。そして自分の家のにわから出て行くのでした。
緑を貴重に描かれた絵は、細かく描き込まれ、自然の美しさ、そこに住む動物たちとフローラとの交流がページをめくるごとに現れます。
最後のページに描かれたお茶会の様子が楽しそうで、この絵本を読む子どもたちはうらやましく思うでしょう。
見返しには、白地に青い花がならび、カバーの後ろの袖には、裏表紙からフローラが飛ばしたたんぽぽの種が舞っています。こういう細かいつくりは、ますます子どもたちを喜ばせることでしょう。
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ジャムでなかよし
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投稿日:2009/07/02 |
ジャムがでてくるお話を探していて出会ったのがこの絵本です。
けんかをしている、ふうたとけいたが、ある事件をきっかけに仲良くなるという筋書きです。
友だちであることのシンボルとして登場するのが、手づくりのジャムです。ふうたは山ぶどうから作ったジャム、かんたはリンゴから作ったジャムです。最後には、二人がこれらのジャムをパンにたっぷりつけて、なかよく食べている様子がうかんできます。
表紙に描かれているジャムのビンに、それぞれ山ぶどうとリンゴのラベルが貼られているのも良いですね。
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父親の役割
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投稿日:2009/06/25 |
読んでいくうちに、大人ならどういう結末になるかわかるかもしれません。しかし、子どもたちにとってはどうでしょう。
花が咲いていない植木鉢を皇帝にみてもらうために、主人公のピンがどれだけの勇気を必要としたかを、子どもたちはピンと一緒になって感じるでしょう。
見事に花を咲かせた植木鉢の一番最後に、皇帝の前で「咲かなかった」という事実をピンが話す場面では、子どもたちはドキドキするに違いありません。
正直に話すということが、実はとても勇気を必要とするものであるということが、この絵本から伝わってきます。
また、父親の役割についても考えさせられます。ピンが皇帝のところへ行くかどうか迷っているときに、ピンのおとうさんは言います。「おまえは、いっしょうけんめいに、できることをしたじゃないか。むねをはって、そのうえきばちを皇帝にみていただきなさい」まさに、子どもに父性を示した場面だと、同じ父親として感じました。
夫が中国人であることも影響しているのかもしれませんが、デミさんが描く絵は、緻密で色彩も中国風です。表紙や本文のベースとなっている青磁色から、この絵本自体がピンがタネを育てた陶器のように感じられ、話のなかに自然と入っていくことができます。
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死を見つめる
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投稿日:2009/06/25 |
白血病にかかった11歳の少年サムが死ぬまでの物語です。
このように書いてしまうと、主人公をばっさり切り捨ててしまうように感じられるかもしれませんが、サムは自分自身を正面から見つめ、自分が死ぬまでを、日記のように、自分の物語として綴っていきます。
皆がサムのように死を受け入れることができるかどうか、私にはわかりません。少なくとも、周りにいる両親、妹よりも冷静にサムは自分を把握しているように感じられました。
だからでしょうか、読者も本を読み進めながら、サムの死を自然と受け入れていくように思います。
ところどころに挿し込まれる、手書きの文字、死ぬまでにやることが書いてある切り取ったメモ帖、<だれにも答えてもらえない質問>が書かれたカード、父さんや妹が描いた絵、お見舞いのポストカード……。このような何気ない資料とともに、サムの物語は書かれています。
この本の最後に示されている、最後の場面のリストの味気なさと、その次のページに生き生きと書かれた「リスト11 ぼくが死んだら、してほしいこと」との差の大きさに、読者はサムの死を実感するでしょう。
約320ページに及ぶ厚い本です。小学校高学年〜が適当だと思います。
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一瞬の間があったはず
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投稿日:2009/06/18 |
まったくすごい絵本である。表紙からいきなりオレンジ色に爆発している。爆発といっても爆弾じゃなくて、太鼓の音のこと。
ニンゲンの子どものこうちゃんのうえに、オニの子どものドンが落っこちてきてから、太鼓をたたく輩がどんどん増えていく。二人のお父さんとお母さん、ネコに犬にニワトリにウシ。みんな太鼓をたたいている。そしてついにニンゲンの世界からも、オニの世界からもみんなが集まって、太鼓をたたくおとでいっぱいになる。
この場面では、太鼓をたたく者と太鼓の音でいっぱいだ。そしてついに、そのときがやってくる。
みんなのたいこの音が「ドオン!」と一つになったのだ。絵本には表現されていないが、このとき、一瞬の間があったと思う。シーンと静まりかえったはずなのだ。そして場面は笑顔と笑い声でいっぱいになるのだ。
こんなに読むが難しい本を描いたのは誰かと思ったら、その分野では只者ではない二人の作品だった。
読み始めたら、もう前に進む、いや突進していくしかないような絵本を子どもたちならわかってくれるだろう。笑顔で読んでくれるはずだ。
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ぐっちゃん、とぺちょん
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投稿日:2009/06/18 |
表紙から暑苦しい絵本です。本をひらいてみると、さまざまな色(原色が多い)を使った太い線の重量感のある絵が広がっています。
つぶれたやかんの中から生まれたパチャリントくんは、2匹の怪獣ガンダラッカとマンダラッカと一緒に旅に出ます。この怪獣ガンダラッカとマンダラッカのグロテスクで醜いこと。大人は敬遠するかもしれませんが、子どもならきっと好きになってくれると思います。
パチャリントくんたちは、自分たちの街を作ったり、たまごっぱらのたまごで大きなたまごやきを作ったりします。たまごを割るシーンでは、ぐっちゃん、とぺちょん、ぐっちゃん、とぺちょん、と子どもたちが思わず声に出して喜んでしまいそうな擬音が登場します。ぐっちゃんで何が行われ、とべちょんで何がされているのか、とても気になります。
長谷川摂子とスズキコージという組み合わせは珍しいですが、二人とも楽しんでこの絵本をつくったことがわかります。この絵本のファンになる子どもたちがたくさん出てきそうです。
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真実を探しだせ!
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投稿日:2009/06/18 |
イギリスの昔話『三びきのこぶた』が、ぶたの視点から語られていたのに対し、『三びきのコブタのほんとうの話』は、オオカミの視点から語られている。
オオカミに言わせれば、大好きなおばあちゃんの誕生日のバースデイケーキにつかう砂糖を借りに行っただけだという。わらのいえに住んでいるコブタと木の枝で作った家に住むコブタは、オオカミがくしゃみをして彼らの家を吹き飛ばしてしまったときに、死んで発見されたのだという。三びき目のコブタは危うく難を逃れている。
さて、ここで悩んでしまうのが、これまで語られてきた『三びきのこぶた』はどういう話であったかということである。こぶたは食べられなかったという説もあれば、こぶたたちがおおかみを食べたという説もある。これは読者の勢力をあげて真実を探さなければいけないだろう。
緻密な絵の中にちょっとした毒がまぜられている。チーズバーガーからはみ出しているものは何か?バースデイケーキを作っているボールからはみ出しているものはなにか?怖がりだけど興味がある読者はよく観察して欲しい。他にもこの絵本は、いろいろなところで工夫がされているので細部まで楽しんで欲しい。
裏表紙の犯罪の行われた現場の絵がなんともかわいらしい、いや、せつない。
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大きな木の記憶
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投稿日:2009/06/17 |
いせひでこの絵に圧倒されしまいます。圧倒といっても、こちらに迫ってくるような絵ではなく、透明な空気の中につつみこまれるような感じがするのです。ひんやりとしているのですが、早起きした夏の朝のように気持ちが良い。
木は長生きです。この植物園にあるアカシアは400歳。そしてプラタナスは250歳です。この木々のある植物園に少女が毎日のように現れます。たくさんの木々や草花に囲まれて、少女も成長していきます。大きな木にとってみれば、少女がいた時間なんてなかったようなものかもしれませんが、木々たちはちゃんと記憶してくれています。
自分で育てたひまわりの絵を残し、去った少女はこれからどんな大人になっていくのでしょう。気になります。
小学生高〜にぜひ読んでもらって、読んだあとの感覚をぜひ大切にしてもらいたい。絵本です
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うつくしさとはなにか?
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投稿日:2009/06/17 |
「うつくしさ」とは、どういうことなのかを考えさせられる絵本です。
鼻がつんと上をむき、口はへの字にまがり、目にはかがやきがない、みにくい王女さま。でも、グッドフィット夫人と5人の娘が住む5人の家で9ヶ月暮らしている間に、うつくしい王女に変わります。
魔法を使ったのでしょうか?いいえ、これは魔法ではなく、王女がグッドフィット家での暮らしぶりが彼女を変えたに違いありません。王女の内面の変化が、うつくしい王女に変えたのです。
中川宗弥さんの優しい絵は、この本を読む人も優しくするでしょう。読後はきっと良い顔をしているに違いありません。
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レトロモダンのにくいやつ
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投稿日:2009/06/17 |
『ヌンヌ』は実はシリーズになっていて、1960年代に3冊がフィンランドで刊行されました。そして2007年に3冊が合本されてフィンランドで復刊されました。この『ヌンヌ』は「ヌンヌ」シリーズの1冊目にあたります。
もしレトロモダンという言葉が、昔ながらの良いものが今の時代で再発見されて見直されたり、新鮮に感じられることを意味するならば、まさに『ヌンヌ』はそれにあたります。
初めてこの絵本を手に取った人は、表紙のヌンヌの姿に惹きつけられるでしょう。青の色紙の切り絵とペン細画で描かれたヌンヌの姿を見ると、今人気があるキャラクターたちに負けない個性があるからです。
読者は誰もこの『ヌンヌ』が1960年代に作られたものとは思わないでしょう。やはり1960年代にハンガリーで刊行されたマレーク・ベロニカの『ラチとらいおん』をがキャラクター化しているのを思いうかべます。
絵本に登場するものは、白地に、紫、黄、青そして黒の紙がコラージュして、ペン細画で補われ、描かれています。色遣いや構図に作者のセンスが感じられます。しかし、私には『ヌンヌ』の話の内容が、どういうわけだかよくわかりません。フィンランドの人たちには人気があるのに、自分にはわからないのは、とても悔しいのですが、どうしても突飛な展開についていけません。「夢」のお話だからかもしれません。
でも一つだけ確かにわかったことがあります。それは「夢を見るときはめがねをかけて寝なければならない」ということです。私も今日から試してみたいと思います。
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