
ゴミ収集車が低くうなって、収集車のおじさんたちが次々と投げ入れるゴミを、ばりばり、むしゃむしゃ、押しつぶしながら飲みこんでいくさまというのは、不思議と幼い男心をくすぐる光景です。
そんな、働くゴミ収集車の一日を描いた本作。 「グイーン! バリバリバリ! ゴー!」 うなりをあげてゴミを積みこみ、あっちへこっちへと町を走るゴミ収集車。 でも、集められないゴミもあるんです。
決められた日とは違う日に出されたゴミは? 大きすぎて積み込むことのできないゴミは? やっと焼却場へとゴミを運んでも、ゴミ収集車とおじさんたちの仕事は、まだ終わりではありません。
生き生きと働くゴミ収集車のおじさんたちの表情が、とてもすがすがしい一冊。 ゴミ収集車に興味のある子へわくわくをくれる作品であるのはもちろん、ゴミ収集車を見て「くさいな、汚いな」と感じる子の、そうした印象を変えてしまうような作品でもあります。
ゴミ収集車は、パトカーや消防車、救急車に比べると、見えていないときの働きをイメージしづらい「はたらくくるま」かもしれません。 しかし、特別な事件や出来事がないときでも必ずお世話になる、生活に深くかかわる「はたらくくるま」でもあります。 そんなゴミ収集車と、おじさんたちのがんばりを知れば、ゴミを捨てるルールや環境について考えるきっかけにもなります。
(堀井拓馬 小説家)

朝早く、ビルのゴミ置き場にからすがやってきました。そのとき、角を曲がってやってきたのは、ゴミを集めにきた収集車です。おじさんたちは、手早く収集車の後ろに袋を入れていきます。グイーーーン バリバリバリ ゴーーー ごみはきれいにかたづいて、次の場所へ移動します。町じゅうを走りながら、収集車はゴミを集めてまわります。 いっぱいになったら、焼却場へ! てきぱきと働くおじさんたち、他にもたくさんののりものが登場、青い収集車は、子どもたちにもおなじみです。絵を眺めていると、細かい部分にたくさんの発見があり、楽しさいっぱいです。

娘が大好きな竹下文子さん×鈴木まもるさんの絵本です。
ゴミ収集車が大好きな娘にちょうどいいと思い選んだのですが、娘が特に気に入ったポイントは、まさかの時間ごとに違う街の色でした。
初めは、静かな早朝から始まります。街がだんだん明るくなっていくことに気づいた娘は、
「こっちは暗いのに、こっちは明るい!」と興奮気味。
そして、最後の夕焼け空を見て「オレンジだ!」と嬉しそうに話します。
この絵本を読み、娘は空の色に少し興味が出てきたようで、夕焼け空を見ると、「オレンジ色になってきたね、この後は暗くなるんだよねー。」などと話しています。
空気が冷たい静かな早朝の雰囲気、通勤通学時間の雰囲気、日中の暖かさが少し残る夕方の雰囲気…
この絵本には、楽しめるポイントがたくさんありました。
(しろもこたろうさん 30代・ママ 女の子3歳)
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