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現代の子どもたちがなかなか聞くことのできない戦争のお話を体験者に取材した絵本。東京大空襲の猛烈な炎から逃げる途中、子どもと夫を失った鎌田十六さん。戦後、戦災孤児の苦しい生活を目の当たりにした彼女は保護施設で働き始め、多くの孤児の母親となる。
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東京大空襲の中で、子どもと夫と母親をうしなった絶望感、戦災の中で孤児となった子どもたちを救おうと志した祈念、これは鎌田十六さんの心の中で連鎖したものであったとは思います。
生涯をかけて五百人もの子どもの母となった自己犠牲とも言える献身に、頭が下がるばかりでです。
絵本という凝縮された空間からにじみ出てくる平和への祈りですが、書物として書き上げられたなら是非読んでみたいと思いました。
ひだかのり子さんの切り絵が、突き刺さってきます。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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