![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
季節を運ぶユニークな猫たちを描いた「四季ねこ」シリーズ、本書は涼やかな「夏」の物語です。
毎年夏になると、軒下にかけられる風鈴の音が、なみこは大好きでした。ガラスの揺れる音の奥から、すきとおった風の歌が聞こえるような気がするのです。 ある夕暮れ、ゆかたを着たかわいい猫、こなつがやってきて、お兄さんのなつねこが風鈴を作っている工房に案内してくれました……。
猫の風鈴工房って、なんて魅力的なんでしょう! 思わず自分も遊びに行きたくなります。珍しい道具類やビンや箱に入った小物など、細部までこまやかに描き込まれた工房のようすや、朝顔がいけられた竹の筒、大きくてレトロな金魚鉢などにも目を奪われます。 熱い炉の中でどろどろになっているガラスを吹いて形をつくり、絵付けをするという、風鈴ができあがる過程もおもしろくて見逃せません。そして、なつねこがそっと教えてくれた、風鈴の音に隠されたすてきな秘密とは……? これを知ってしまうと、夏が待ちきれず、風鈴の優しい音を聞いてみたくなってしまいます。
さわやかな風がふっと吹き抜けるような、この絵本が気に入った方は、ぜひほかの季節の猫たちにも会ってみてください。
(光森優子 編集者・ライター)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
ここちよい風鈴の音の秘密は、夏の思い出 風鈴の音色が大好きななみこは、ある日やってきた妹猫にさそわれて、風鈴工房を訪ねました。 そこで、風鈴職人をしている兄猫から風鈴の音の秘密を教わるのです。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
素敵な風鈴のお話でした。
青白い、薄暗い森とほのかな蛍の光、なつねこ兄妹。幻想的で素敵なお話でした。
主人公のなみこが「風の森」に入っていくシーンとラストのシーンはちょっと私の大好きな安房直子さんの「きつねの窓」とイメージがかぶりました。
北見葉胡さんの描くねこたちがすごく可愛かったです。
このシリーズはどっぷりとメルヘンに浸かりたい少女たちにお薦めです。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子11歳)
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