
ぼくの家族は港町に引っ越してきた。お父さんは船大工をしながら丘の上に家を建て、市場で知り合った隣国の少女はやがて船で帰っていく。『ぼくは弟とあるいた』の姉妹編。
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三部作の最初の作品ということですが、家族揃っておじいさんとの関係性を考えると、不思議なループを作っているような作品です。
戦争が海の向こうにあって、その海が見える場所に暮らしている家族は、平和に包まれています。
続作では、その暮らしが戦争で壊され、兄弟二人でおじいさんの家を目指します。
三作目では、おじいさんが亡くなり、兄弟が両親を待ち続けます。
戦争が停戦となり家族が揃った風景を、この「ぼくの家から海がみえた」に思い描いたからです。
常に戦火がそばにある地域で、言い様のない不安感はエンドレスなのかも知れません。
このループから解放されるためには、四作目に完結編を作っていただきたいと思いました。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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