![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
その朝、東88番通りの空き家の前に、引っ越しのトラックがジョウゼフ・プリムさんと、おくさんと、小さい息子のジョシュアくんの荷物を降ろします。プリムさん一家が引っ越してきたのです。その日は一日てんやわんや。ピアノの置き場所に迷い、パイプが見つからなくて探しまわり、引っ越し屋さんが次々に家具を運びこみ。そして、その間ずっと、奇妙な音が聞こえてくるのです。
「シュッ、シュッ、バシャン、バシャン」
おくさんが音のするおふろばのドアを開けてみると……なんとバスタブの中に大きな緑色のワニがいるではありませんか! そんなことってあるでしょうか。驚くプリムさん一家に不思議な手紙が届きます。
「わたしのクロコダイル・ワニをよろしくたのみます。 彼の名前は、ライルです。」
するとライルがやってきて、ボールを頭の上に乗せ、逆立ちで歩き、ビューンと飛んでみせ、おまけにフラフープを上手に回すのです。なんて素晴らしいワニなのでしょう! すぐにライルとプリムさん一家はなかよしになります。家の仕事をなんでもこなし、愛嬌もふりまくライルは、そのうち街中でも人気者になっていき……。
2023年3月には映画が公開され、その原作として再び注目されているこのお話は、アメリカで1962年に発表されたベストセラー児童文学『Lyle, Lyle Crocodile』で、日本では『ワニのライルがやってきた』という題名で1984年に出版されました。大らかな線で描かれたユニークで愛らしいライルの魅力と、先の読めないワクワクするストーリー展開。今読み返しても、あっという間に夢中になってしまうのです。かつて今まで、こんなに私たち人間の暮らしにマッチするワニがいたでしょうか。
プリムさん一家のよき友だちであり、実は芸達者なショーマンでもあるライルの物語。子どもたちも、きっとすぐに好きになってしまうはずですよ!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
プリムさんの一家がひっこした東88番通りの家のおふろ場に、大きな緑色のクロコダイル・ワニが!……びっくりしたプリムさんたちも、やがて、芸達者なワニのライルとすっかりなかよしになります。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
シュッシュッバシャンバシャンって家の中から音がする。プリムさんが引っ越した先にはワニのライルがいたんです。舞最初は驚いたプリムさんでしたが、すぐにライルと仲良くなり、ライルは街の人気者になっていきます。ライルが有名になったことを知った前の飼い主はライルを連れ戻し、世界中を回りますが、ライルは元気がなく、舞台に立ってもお客さんを泣かせてしまうばかり。それでまたプリムさんの家に戻ることになりました。ライルが愛らしく、またライルを愛するプリムさん一家の思いが伝わってくる心温まるお話です。 (はしのさん 40代・パパ 男の子11歳、女の子9歳)
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