
最初誰にも父と母がいる。
同じようにおじいちゃんもおばあちゃんも。
小さい頃におじいちゃんやおばあちゃんがいた子供はなんて幸せなのかと思う。
まさに「ドラえもん」ののび太君がおばあちゃん大好きだったように。
イギリスの作家ジョセフ・コエローが文を書いたこの絵本は、小さな女の子とそのおじいちゃんの物語だ。
女の子とおじいちゃんは春も夏も秋も冬もいつも一緒にいる。
けれど、おじいちゃんは死んでしまう。
絵本ではこの場面はおじいちゃんがいつも座っていたソファだけを描いて(絵を描いたのはオーストラリア在住のアリソン・コルポイズという人)、添えられた文章は「おじいちゃんの物語は、もうきけない。」。
絵本を読む子供たちが、「死」、愛する人がいなくなるってどういうことなのか実感できるのではないだろうか。
この女の子はただ悲しんでいるだけではない。
「おもいではきっと、いつでもあそびにいけるへやなんだって」気づく。
思い出の中のおじいちゃんはいつもにこにこ、やさしい。
そして、今度こそどこにもいかない。
子供だけでなく、おじいちゃんおばあちゃん世代にも胸が熱くなる絵本だ。 (夏の雨さん 60代・パパ )
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