|

生まれてからの成長を描きつつ、卒園して小学生になるのがどうしてなのか、ヤドカリやセミにたとえながら楽しく伝えます。

絵本にしては少し難しいそうなタイトル、『そつえんするってことは』のおしまいに載っている
作者の中川ひろたかさんのプロフィールを読むと、
中川さんは保育園で5年働いていたそうだ。
だからだろうか、この絵本で5歳になって卒園してこれから小学生になる子供たちへの
メッセージがとてもあたたかいし、しっかりしている。
少し難しいそうなタイトルに、きちんと答えている、そんな絵本になっている。
卒園していくことを、成長して住む家を変えるやどかりとかセミの脱皮になぞらえて、
そういえば、通っていた園も少し小さくなったから少し大きなところに引っ越しと
やさしく語りかける。
そう、それが小学校。
そこでは勉強もする。宇宙のこととか地球のこと。
未来に向けて何をするのかを勉強するのだ、とやさしく話してくれる。
きっと、この絵本のタイトルのような、少し難しそうな問いかけにも
きちんと答えられるようになるように勉強するのだろう。
そして、最後に中川さんはこう書く。
「そつえんするってことは おおきくなった おいわい」
いつか君自身が君なりの答えを見つけだすだろう。
この絵本は、そんな未来の君への応援でもある。
あおきひろえさんの絵も、やさしい。春のひざしみたいだ。 (夏の雨さん 70代以上・パパ )
|