鉛筆の黒一色の線で描かれた小さなニコデム。ほんのり赤い頬をした、内気で気弱な男の子です。大人に足を踏まれたり、乱暴な男の子にビー玉を取られたり、忘れ物して先生に怒られたり。嫌なことがあった時、ニコデムはものすごく大きくて、ものすごく強い「スーパーニコ」になって解決します。頭の中ではね・・・。 ああ、もう!今すぐ変身したい! ぼくは怒ってるんだあ、と世界中にほえてやる! うつむき加減なニコデムを見ていると、何だか切ない気持ちになってきちゃいます。学校ってたくさんのお友達がいるし、勉強もあるし、結構大変な毎日だよね。ニコデムの気持ちもわかる気がします。本当に変身できたらって思ったこともある。でも、可愛いビオレットが隣の席にきた時までスーパーニコになってお花をあげちゃうなんて、ね。 その夜、ニコデムは寝返りをたくさんうち、いろんなことをたくさん考えて、なにかがはじけるのです。 「ぼくはニコデム。大きくないし、強くもない。でも明日、ビオレットに、マーガレットの花束をプレゼントするんだ!」 もう大丈夫だね、ニコデム。
現実と向き合うこと、ありのままの自分を受け入れること。 大変だけど、子どもだって乗り越えなくちゃならない時はある。 繊細で、でも子どもの意思をしっかりと尊重している、フランスの絵本です。 ニコニコのニコデムはとっても可愛いですよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ニコデムは内気で気弱な男の子。大きくて、強いヒーロー「スーパーニコ」に変身して、いろんな嫌なことを解決できたらいいのになあと思い描いて毎日を過ごしていた。現実と向き合い、ありのままの自分を受け入れるまでを描く。
作者紹介のところを読んで、作者がフランス人だとわかった途端、「うん。確かにフランスの香りがする作品だった!」と、思ったのは私だけでないと思います。
色彩の使い方といい人物の描き方といい、何となくですが“フランス〜”と、思いました。(^.^)
ラストはハッピーエンドでしたし、全体的に可愛い印象のお話ですが、実は奥の深い物語であったのかな〜と、思いました。
主人公のニコデムのように、学校の出の出来事が色々とうまくいかないお子さんに特にお薦めしたいです。
いやなことをいろいろためてしまうより、前向きに自分のできる沙所の一歩を踏み出せるといいな〜と、思いました。
小学校低学年から高学年までお薦めします。
ニコデムは小学校1年生くらいですが、読むと感じるものがあるので、意外と高学年のお子さんの方がこの作品から受けるものが大きいかもしれません。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子13歳)
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