![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
お人好しな30匹のあまがえる。 働き者の彼らは、虫たちにたのまれて、花畑やきれいな庭を作る仕事をしています。 ある日、とのさまがえるのお店で、たらふくお酒を飲んだあまがえるたち。 お酒の代金を払えなくなった彼らは、とのさまがえるの家来にされてしまいます。
「あしたからみんな、おれの命令にしたがうんだぞ、いいか!」
さんざひどい仕事をさせられ、ぼろぼろになってしまうあまがえるたち。 そこに突然、「ひとにものを言いつける方法」と題した、国のあらたな決まり事が定まって──
働くことと、働かせること。 労働をテーマにした風刺的な作品であり、太陽や草木、ちいさな生き物などの自然に対する敬意と愛情に満ちた、いかにも宮沢賢治らしい作品「カイロ団長」。 悲しくなったり、あわてたりすると、すうと青色に透きとおってしまうあまがえるたちの体や、お日様の光で照らされる自然の様子などが、幻想的に語られています。
暗い色の体をしたカイロ団長が、いっぱいに描かれている表紙を見ると、いささか地味で沈んだ色合いの絵本に感じられてしまうかもしれません。 ところが、表紙から受ける印象は最初のページですっかりくつがえってしまいます。
日に透けたようにうっすらと朱の線でふちどらた、鮮やかな緑色のあまがえるたち。 にじむように繊細なタッチで描かれる、色とりどりの草花。 王様の命令を伝える、虹のような体と殻を持ったかたつむり。
そして最後のページがみどころ! 30匹のあまがえるたちがいろいろな草花に囲まれてゆかいに働く姿を描いた場面は、鮮やかな色彩がまぶしいほど。
今は使わない物の単位や古い言い回しがありますが、巻末にまとめてそれらの意味や、今の単位でどれくらいに相当するかが記載されています。 すんなりと読み進むには少し、むずかしいところもあるかもしれませんが、宮沢賢治の不思議な懐かしさのある繊細な言葉選びを、音読でいっしょに楽しんでみるのはいかがでしょうか。
(堀井拓馬 小説家)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
「いいか。この団体はカイロ団ということに しよう。あしたからみんな、おれの命令に したがうんだぞ」 ――まんまとだまされた正直者のアマガエル たちは、その日から強欲な団長にこきつかわ れることに。ところがそこへ突然、 王様の素晴らしい命令が鳴り響いた!
▼「宮沢賢治の絵本」シリーズ
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
カイロ団長 宮沢賢治のお話です
30匹のあまがえるはみんなで面白く仕事をしていましたが、ある日仕事を終えて帰るとき 「舶来ウェステキイ 一杯 二厘半」と書かれた 看板を見て、 みんな ごきげんで とのさまがえるの策略にはまり ウェステキイを何倍も飲んで ご機嫌でしたが・・・・・ とのさまがえるに騙され
家来にされ 労働をさせられるのです
カイロ団長と威張り散らします
しかも重労働で 大きな石を運ばされ 死にそうになるのです
そんな時 カタツムリのメガホンから 「王様の命令だ」 と聞くのです
この王様正体はわかりませんが・・・・・
王様の命令は
1 人にものを言いつけるときは そのいいつけられる 目方で自分の体の目方を割って答を見つける
2言いつける仕事にその答えをかける
3その仕事をいっぺん 自分で二日間やってみる
この通りやらないものは 鳥の国へ引き渡す
このような王様の命令で あまがえるたちで算術のうまいカエルが計算しました
そんなわけで カイロ団長と威張っていたとのさまがえるは 大きな石を運ぶ羽目に・・・・
さあ今度はとのさまがえるが死にそうに、あまがえるたちが優勢になりました
しかし またもや 王様のご命令「すべてあらゆるいきものはみんな気のいい、かあいそうなものである。 けっして憎んではならん」
このめいれいは あまがえるたちは しにそうなとのさまがえるを助け そしてまた 今まで通り 愉快に仕事をするjことができたのです
宮沢賢治は こうした考え方を教えてくれていました
今の時代でもブラック企業と言われて 非常に過酷な労働を課せられている人がいますから この教えを守れば不幸な自殺者も出ないのではと思いながら読んでいました
こしだみかさんの絵はすごくよかったです! (にぎりすしさん 60代・その他の方 )
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