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【連載】絵本ナビ編集長イソザキの「あたらしい絵本大賞ってなに?」

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インタビュー

2024.12.10

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【Vol.5】特別審査員 絵本ナビ編集長・磯崎園子インタビュー(前編)仕事は“絵本の魅力を伝えること”

『第1回 読者と選ぶ あたらしい絵本大賞』の開催とともにスタートした連載「絵本ナビ編集長イソザキのあたらしい絵本大賞ってなに?」も5回目を迎えました。ここまでコンテストのガイド、そして特別審査員の方へのインタビューをご紹介してきましたが、皆さんの中で少しでも「あたらしい絵本大賞」のイメージは見えてきましたでしょうか。

さて、インタビュー最後の登場は絵本ナビ編集長の磯崎園子さんです。今回のコンテストの主催者側であり審査員という立場でもある磯崎編集長の普段の主な仕事は……?

 

磯崎園子(絵本ナビ編集長)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。

「読者代表として絵本の魅力を伝える」ことが仕事

――磯崎編集長は今回の「あたらしい絵本大賞」主催者側の立場となりますが、特別審査員としても選考に参加することになりました。そこで、まずは改めて「絵本ナビ」のことを参加される皆さんにお伝えできればと思います。

「絵本ナビ」をわかりやすい言葉でお伝えすると、「年間2000万人が利用する絵本情報・通販サイト」です。多くの方が直面する「どんな絵本を選べばよいか」というお悩みに対し、絵本や児童書を年齢やテーマ、人気ランキングで探せるほか、読者の方のレビュー、作家さんへのインタビュー、編集部おすすめの記事など、絵本選びをお手伝いするためのコンテンツを充実させています。また絵本関連グッズの販売や定期購読(絵本クラブ)、デジタルでの絵本読み放題「絵本ナビプレミアム」など、多くの方が一冊でも多く絵本に触れる機会を増やすためのサービスを幅広く行っています。

特にサイトがオープンした2002年当時からずっと寄せられ続けているユーザーの皆さんからのレビューの数は45万件以上にものぼり、絵本ナビにとっても宝物となっています。

ーーレビューの総数が、すごいですね。つまり絵本ナビは多くの「読者」の方に支えられているということになりますね。

そうなんです。絵本を読んだ時の感想とともに、子どもの反応やエピソードなども合わせて書いていただいて。その内容が、今度は他の方が自分の子どもに選ぶ時の具体的な参考になっていく。熱のあるレビューが集まっていると、やはりその絵本を自分でも一度読んでみたくなりますよね。

私自身も、絵本を選ぶ時や紹介する際に読ませていただくことが多いのですが、声を出して笑ってしまったり、涙が出そうになったり、気がつくとかなり時間が経ってしまっている……ということがあるくらい読み応えがあるんです。ですから「絵本が読者にどのように読まれているか」を知りたいと思ったら、まず絵本ナビに寄せられるレビューを読んでもらえたらと思います。

ーー確かに「絵本づくり」をしたいと思っている方にとっても、役に立ちそうな情報ですよね!  レビューも読まれているとのことでしたが、磯崎編集長は普段どんな仕事をしているのでしょうか?

絵本ナビスタッフとしての仕事は多岐にわたりますが、編集長としては常に「読者代表として絵本の魅力を伝える」ことを中心に考えています。

リアル書店でもネット上でも、絵本の魅力というのは実際に手にとって開いてもらわないと、なかなか伝わりにくいことが多いですよね。ですから「この絵本、ちょっと読んでみたいな」と思ってもらえるように、毎月新刊絵本の紹介文を10〜15本ほど書いています。その際には、なるべく子どもの目線に立ち、どんなところが目に飛びこんでくるのか、気になる場面はどこか、読んだ後にどんな気持ちになるのか、めいっぱい想像しながら読んでいます。

ーー紹介文によって興味を持ってくれる方がいるかもしれない。大事な情報ですね。

絵本ナビを見に来てくださる方は殆どが大人の方だと思いますが、まずは大人の方に興味を持ってもらい、その絵本の魅力を理解してもらわないと、なかなか子どもたちの手に渡っていかないですよね。子どもたちにとってその絵本がどんな存在となるのか、どんな風に楽しめるのか、そんなことを常に考え伝えるようにしています。

 

「絵本と年齢の関係」について、思いっきり悩んでみても

ーー絵本を読む時の子どもの目線や反応というのは、年齢によっても全然変わっていくかと思います。それは経験からわかるものなのでしょうか?

もちろん自分自身が子育てする中で、子どもと一緒に読んだ体験は貴重なものです。でも、限られた冊数しか読めないですよね。絵本と向き合いながら、自分の子どもの頃の記憶を広げてみたり、友人やスタッフの子どもたちの様子を見せてもらいながら、このくらいの年齢の時はどんな風に読むのかな、と想像してみたり。そういうことで見えてくることは沢山あります。

ーー何歳の時にどんな絵本を読んであげたらいいか、毎回悩んでしまいます。

絵本と年齢は切っても切れない関係ですよね。そこで一冊にまとめたのが『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(磯崎園子・著 ほるぷ出版)。0歳から6歳まで、その年齢でしか味わえない「絵本の楽しみ方」を紹介しています。絵本を通して子どもを知ることは、子どもを通して絵本を知ることにもつながっていきますよね。絵本を作りたいと思われている方は、そこは思いっきり悩んでいいんじゃないかと思います。表現の幅も広がっていくのではないでしょうか。

ロングセラー絵本も最初は新作だった!?

ーー磯崎編集長は毎月新しい絵本を読まれていると言っていましたが、ロングセラー絵本と新作絵本との関係はどう考えられていますか?

子どもの頃に読んでいた絵本が今もまだ売れ続けている。親子3代にわたって愛され続けている絵本がある。そういった「ロングセラー絵本」の存在感の大きさこそ、このジャンルの特徴だと言えますよね。ロングセラー絵本に共通しているのは、時代が変化しても変わることのない普遍的な感覚が描かれているということ。何年たっても記憶に残るような印象的な場面があること。どの絵本にも長く愛され続ける理由があるんだと思います。だからこそ、絵本ナビではロングセラー絵本の紹介も大切にしています。

一方で、そんな絵本だって発売された当時は「こんな絵本見たことがない!」とか、「絵本らしくない」など、多くの大人に散々なことを言われてきた作品もあったはずです。

ーー確かにそうかもしれない!

だからこそ、私たちはロングセラー絵本と同じくらい新しい絵本を大切に扱っていきたいと思っています。

絵本ナビでは、寄せられたレビューの評価や数、販売実績など絵本ナビ独自のロジックで算出された人気作品上位1000作品を「プラチナブック」として。3か月に一度選書会議を行い、毎月発売される新作絵本の中から「次のプラチナブック」として自信を持って推薦する作品を、「NEXTプラチナブック」として紹介しています。今目の前にあるこの新しい絵本が、この先何十年も子どもたちに読まれ続けるかもしれない……そう思うと、本当にワクワクしますよね。

ーーそんな風にたくさんの絵本を読んでいる磯崎編集長が、記憶に残っている絵本、印象に残っている絵本は何でしょうか?

実はこの質問が一番難しいですよね(笑)。普段、色々な方に聞いちゃっていますけど。子どもの頃に読んで、大人になった今も私の感覚に大きな影響を与えているんじゃないかと思っているのは『11ぴきのねことあほうどり』かもしれません。欲が深く、飽きっぽく、でも面白そうなことには目を光らせてしまうねこたちの飄々とした姿は、当時も今も「しっくりくる」としか言いようがないくらい大好きです。この絵本を息子に読んだ時も、ひっくりかえって笑ってくれていたので「さすが私の息子」と頼もしく思ったものです。

  • 11ぴきのねことあほうどり

    出版社からの内容紹介

    ねこたちがコロッケ屋を始めます。けれど毎日食べる売れ残りのコロッケに食傷気味。「鳥の丸焼きが食べたい」と夢見ていると、そこへ一羽のあほうどりが現れます。

ーーありがとうございます! 編集長の原点に触れられた気がして嬉しいです。後編では、『読者と選ぶ あたらしい絵本』についてお伺いしていきたいと思います。

※磯崎編集長インタビュー記事(後編)は、2025年1月28日頃の公開を予定しています!

 

文・構成: 磯崎園子(絵本ナビ編集長)

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