2012.05.02
第6回 こうたくさんの印刷所&製本所見学
4月上旬の某日、東京駅。
上越新幹線乗り場に、こうたくさんと、担当・瀬尾の姿がありました。
今日は、新潟の吉原印刷さんで、新作の印刷が行われる日。
東京は春めいていましたが、印刷所のある長岡は、まだ雪が残ります。中嶋、うかれて服の選択を間違えました。さ、寒……。
色を確認する「色校」はすでにチェック済。より原画に近い色になるように、「もっと黄色を強く」「青をおさえて…」など、現場で職人さんたちと相談しながら、作業をすすめます。
原画のスキャニングや色を整える作業をしてくださっている佐藤さんも、厳しい目を光らせます。
コンピューターが「黒」と判断した色も、原画を見るとただの「黒」じゃないそうで、微妙な色が混ざり合っています。そこを調整していくとか。「いちばん、ぼくの絵を研究してる方ですよね〜」とこうたくさん。
インクの濃度を変え、印刷してみて、また確認。その作業の繰り返し。職人さんたちの経験に基づく微妙な調整が、大きな影響を及ぼします。
ようやく理想の状態になったので、印刷に入ります。次の確認に入る前に、いつも電話でやりとりをしている、データ管理など全般を担当されている渡辺さんに会いに行きました。
そしてその一週間後、こうたくさんの姿は、今度は埼玉県にありました。
印刷された紙を、本の形にしてくれるのが製本所。今回お世話になったのは、絵本や美術書を専門にされているハッコー製本さんです。
製本所に見学にいくことはほとんどないので、こうたくさんも、瀬尾も興奮気味。
印刷もそうですが、工程を詳しく書き始めると、中嶋の手に負えないので、ごくごく簡単にご紹介。
本は、大きな紙に何ページ分も印刷されているので、まず大枠で切り、ページ順になるように折ります。これはその専門の機械。すさまじいスピードです、1時間に1万枚くらい折れちゃうそうです。
そして、糸でかがります。巨大なミシンで一気にガチャンと縫うイメージ。
この段階では折った紙をとめているので、袋とじ状になっている部分もあります。その後、再度外側を切り、やっとページが一枚ずつになります。
そして、200℃くらいの高温になるノリで、かがった部分を固めたり、またちがう機械で表紙などをつけたり。そしてそれをギューっとプレスすれば、よく見る本の形に。
今回我々がなにより驚いたのは手作業パート。本屋さんがレジで外す細い「スリップ」という紙が本には挟まっているのですが、それを入れるのがなんと手作業。分厚い本だと機械でできるそうですが、絵本は薄いので、人間の手でやるしかないそうです。
機械を使いながらも、要所要所は人間の手作業が入っているのが印象的。全ての工程を、自動で一気にやることはできないのかと質問したところ、ハッコー製本の佐藤常務がひとこと。
「印刷が色落ちしたり、傷がついたり。工程を分けることで、そういうことがあった時に、少しでも早く気づけるようにしているんです」
頭が下がります!!
(長崎出版 中嶋)