1967年、アメリカで出版された絵本が登場です。 絵はすべてモノクロームの線画で、繊細なタッチで描かれた風景とキャラクターが、 とてもクラシカルな雰囲気を持つ作品です。
主人公は4人の兄妹。 「いえでを したくなったので…」と、荷物をまとめて、 大好きなあの場所に向かいます。 そこは、そよ風が静かに枝を渡り、秋には葉が金や赤に色づく大きな木のお家。 小鳥のさえずりを聞きながら、新しい新居に大満足の子どもたち。 強風に吹き飛ばされる前までは…。
それから再び荷物をまとめて、次の引っ越し先に向かいます。 池に浮かぶいかだ、森の中の洞窟、浜辺の砂のお城…。 兄妹たちの大好きな引っ越し先は、とっても居心地の良い素敵な場所ばかり。 でも、いつもアクシデントが起きて、安住することができません。 兄妹たちが最後に落ち着く引っ越し先は、やっぱり…。
七五調のリズミカルな詩が心地よく響く、さわやかな絵本。 引っ越しをするたびに、少しずつ増えてくるお土産も魅力的です。 細部まで描きこまれた絵も堪能してください。
(木村春子 絵本ナビライター)
いえでを したくなったので、にもつを つめて きょうだい みんなで ひっこした……。色をおさえたイラストから、あざやかで生き生きとした子どもたちの世界がうかびあがってきます。1969年にアメリカで刊行された絵本。
モノクロで、くり返しが多く、リズムのある文なので、
なんとなく、『きょうはみんなでクマがりだ』に似ている感じがします。
こんなにも家出をする素敵な場所がある
この子どもたちがうらやましいです。
私も親と喧嘩したときには、
おじいちゃんの家や友達の家、畑などに気分転換していましたが、
わが子たちは、近所に気軽に行ける場所もないし、
親も心配だから、子どもたちだけであまり外に出していません。
そうすると、わが子たちの気分転換はどうすればいいのか。
いい場所を見つけてあげたいし、
家でたくさん怒って、子どもたちの逃げ道がなくなることのないよう
してあげたいと、心に余裕がある今なら思っています。 (まことあつさん 30代・ママ 男の子6歳、男の子4歳)
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