いつも使っているクレヨン。 そのクレヨンたちが実は日ごろの思いを持ち主に伝えるため、こっそりと計画を立てていたとしたら・・・?クレヨンたちの視点からお話が進むというなんともユニークで刺激的な絵本が海外からやってきましたよ。
この絵本の主人公であるケビンは、ある日それを見つけてしまいます。 クレヨンの箱にある12枚の手紙の束。宛先はどれもケビン宛。12枚の手紙の差出人は、12色のクレヨンたち。そう、その手紙にはそれぞれの切実な告白が綴られていたのです。
「あかい」クレヨンからは、ちょっとばかりの自慢と休暇が欲しいという人気者のならではの悩みだったり。自分の使われ方に結構満足している「みどり」のクレヨンからは、ケビンへのお礼と自分の両隣にいる「きいろ」と「だいだいいろ」のクレヨンが四六時中ケンカしていて、楽しい気分が台なしになってしまうという不満の声だったり。手紙を読み終えたケビンは、クレヨンたちそれぞれの気持ちを知って悩んでしまいます。さぁ、そんなケビンはどうやってそれぞれの悩みを見事に円満解決するのかしら。
『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーリストで第一位を獲得したという大人気の絵本。 映画やテレビのディレクター兼脚本家としても活躍中の作家ドリュー・デイウォルトさんとデビュー以来数々の賞を受賞している絵本作家オリヴァー・ジェファーズさんがタッグを組んだウィットに富んだかわいい絵本です。みどころは、まるで子どもが描いたようなクレヨンからの手紙とケビンの絵!手紙の文字の字体から、文章のクセや便箋のチョイスまで、12色の個性豊かなお手紙がなんともキュートでたまりません。それぞれの悩みも読めば読むほど「なるほどねぇ。」と、あなたも思い当たるふしがあるかもしれませんよ。 「やあケビン!」ではじまるユーモアたっぷりのお手紙は、楽しい読み聞かせにもぴったりです。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
ケビンが絵をかこうとクレヨンの箱を取り出すと、手紙の束がありました。12色のクレヨンたちからの手紙です。赤いクレヨンは「年がら年中働きっぱなしだから、休ませてくれ」と人気者の苦労を。ほかのクレヨンも、たまりにたまった気持ちを手紙にぶつけていました。さて、手紙を読み終えたケビンはどうしたのでしょう……?
1年生の読み聞かせで、ボランティアさんが読んでくれて、一緒に聞きました。読み終わるのに9分ぐらいかかり、途中、子どもたちが飽きてくるかな?と思いましたが、1ページ読むごとに「次は何色かな?」という好奇心の気持ちいっぱいで、夢中で聞いているようでした。12色めのうすだいだい色が「すっぽんぽん」というのには、大笑いしていました。
手紙の文字が活字ではなくて書き文字なので、多少読みにくそうに感じますが、12色のキャラクターの演じ分けが楽しそうでした。 (みいのさん 50代・ママ 男の子18歳、女の子13歳)
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