昭和20年8月6日の朝、原爆にきずついた女の子は、まちんとまちんとと、トマトをねだって死んだ。
「まちんと」というのは、もうちょっと、という言葉の方言を
幼い女の子が回らない舌で言った言葉のようです。
広島の原爆の炎の中で、もうすぐ3歳の女の子は、苦しみながら寝かされて、
母が口に含ませてくれたトマトを、「まちんと」と欲しがったというのです。
女の子のその後は、まるで民話のように幻想的ですが、
その魂の想いを考えると、とても納得してしまいます。
原爆の絵本は、仕方がないとはいえ、とかくシリアスで子どもたちに手渡す時には配慮が必要ですが、
この作品は、原爆そのものを直視して描いていますが、
惨状を生々しく描くのではなく、この女の子に焦点を当ててあり、
小さいお子さんにも受け入れられやすいと思います。
なにより、今とつながっている、というところが、
共感できると思います。 (レイラさん 40代・ママ 男の子16歳、男の子14歳)
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