童謡や詩を数多く手がける武鹿悦子さんと、『あめふりさんぽ』『はこちゃん』などの絵でファンを増やす江頭路子さんが、いつの時代にも世界共通の“母の祈り”をこめておくる絵本です。
あかちゃんが生まれて、はじめておかあさんになった夜明けのことを、女性はきっと覚えているでしょう。 ちいさい手、ちいさい足に触れ、わたしがこの子を守ってあげなければと思ったことを……。 「いっしょに うみを みようね いっしょに かぜのおとを きこうね」 このちいさな子どもが、これから先、世界を愛すべき場所としてすくすく育っていきますように。 おかあさんの祈りのような呼びかけは、つぎの言葉へとつづきます。
「この かわいい ても いつか おかあさんのてを つつみこむほど つよく おおきくなるでしょう その てが どうか 銃など にぎりませんように」
世界中のたくさんの子どもたちが、銃が日常のそばにある暮らしをしています。 子どもたちから平和な日常を奪わないでほしい……。 ほんとうは、それが多くのおかあさんの願いなのです。 小鳥の声からはじまる朝や、おかあさんがつくる朝の食事。 まどべで月をみるしずかな夜。 そして、この子がやがて大人になり、いっしょに生きる人と出会い、愛するいのちを抱くよろこびを。 どうか奪わないで……子どもたちから。
声にだして読むと、言葉が歌のように、心に直に流れこみます。 子どものしあわせとは何か、同時に、親として生きるしあわせは何かを、親子でいっしょに感じ考えることができる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
わたしのあかちゃん、その手がどうか銃などにぎりませんように。世界中のこどもたちから平和をうばわないで…。母の子への愛情は万国共通。戦後70年、平和への願いをこめておくる絵本。
図書館の新刊コーナーに置いてあったので借りてきました。
戦争がテーマの絵本なんですね。
やさしい表紙からは想像もしませんでした。
あたたかな始まりから、急に戦争を予感させるページへ。
ドキドキしながら読みました。
子どもたちは、家が焼けてしまったページではっと目を見開いていました。きっと怖かったんだと思います。戦争がどんなものか、まだよくわかっていない子どもたちですが、それでもこの絵本からは何か伝わるものがあると実感しました。
本当に本当に、今の日本の平和が続くようにと祈らずにいれません。大事なことがさりげなく描かれている、そんな絵本です。
戦後70年のこの夏。ぜひ多くのお母様たちに手に取っていただきたいなと思いました。 (りおらんらんさん 30代・ママ 女の子4歳、男の子0歳)
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