『100万回生きたねこ』『おじさんのかさ』の佐野洋子が描く、「もみの木」の物語。
衝撃のクリスマスの物語が、大人の絵本にふさわしい、新しい装いになりました。
きれいな町に行って、クリスマスツリーになりたいと夢みる「もみの木」。
町の人がむかえに来てくれると信じていたのに、季節は過ぎていきます。
やがて、ほかのもみの木をのせた貨物列車が走っていったと知らされた「もみの木」は走り出して……。
一途に願った夢がやぶれた「もみの木」を迎えてくれたのは、森の仲間たちでした。
猛然と走り出す「もみの木」に小さい子どもたちは大よろこび。
大人たちは、心あたたまるラストにほっとしながらも、ほろ苦さをかみしめる、そんなどこにもないクリスマスの絵本です。
*本書は、1990年初版刊行『わたし クリスマスツリー』、2006年初版刊行『新装版 わたし クリスマスツリー』の仕様、デザインをかえたものです。佐野洋子の原画に、より忠実な色みになっています。
クリスマスの素敵な絵本を探していて出会った本です。
佐野洋子さんの絵本ということで、期待をして読み始めました。
読み終わって、さすが!!と思いました。
街で素敵なクリスマスツリーになりたかったモミの木、根っこを抜いて一生懸命走る様子に、なんとか望みが叶えばいいのに・・・
列車に乗り遅れ、泣きながら元の森へ帰って来たモミの木を優しく迎える動物、木に心が温かくなりました。
動物達のクリスマスツリーになったモミの木。最後はみんなで静かにクリスマスの歌を歌いますが、どんな気持ちだったのかな?
モミの木が自分の姿のようにも思えるし、また自分の子供のようにも思え、森の動物達の気持が親心に感じ、味わい深いです。
クリスマスの名作絵本といっても良いと思います。 (みるぴんさん 30代・ママ 男の子1歳)
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