ありえなくもないかも……しれない? 絵本『ありえない!』【NEXTプラチナブック】
いきなり理解できない状態に出くわしたら、私たちは思わずつぶやいちゃうよね。
「……ありえない!」
でも、それって本当にありえない? もしかしたら、ありえなくもないかも? いや、ありえないから面白いの、か!?
さあみなさん、あっと驚く「ありえない」ショーが始まりましたよ。カンガルーのお腹から顔を出しているのは、2匹のヘビのケンカの原因は、ドラネコの首輪を引っぱっているのは、スピードは出ないけどどこまでも行けるタクシーの正体は……。いやいや、そんな。ありえないでしょ。
まだまだ「ありえない」は続きます。まさか自分がたおれるなんて、まさか飼っていた犬にあんなことを言われるなんて、まさか本当にとりかえっこするなんて……!
この絵本がお届けするのは、みんなが考えたこともない、常識破りでヘンテコリンな場面の連続。それを詩人アーサー・ビナードさんが見事に楽しく訳してくれています。うーん、確かにこれは、ありえないようでありえるのかも。ありえないというのは思い込みだったのか。みんなの頭がこんがらがってきた頃。
「なああんちゃって!」
ほらほら、エリック・カールさんが舌を出して笑っていますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
みなさん、あっとおどろくショーにようこそ。
カンガルーのおなかから顔を出しているのはだれ? へびのしっぽはどこいった? スピードは出ないけど、どこまでも行けるタクシーってどんなの? 鏡に映っているのは自分? それとも……?
見開きごとに、ちょっと奇妙な組み合わせや、立場が逆転したものが登場。 「ありえない!」と思うことも、見方を変えてみると、もしかするとありえなくもないかも……?
固定観念を打ちやぶる、エリック・カールさんの「ありえない!」絵本を、 詩人アーサー・ビナードさんが訳しました。
『THE NONSENCE SHOW』が原題。
エリック・カールさんの高度なナンセンス作品だと思います。
訳出は、日本語で詩作をもするアーサー・ビナードさん。
確かに、豪華なコラボです。
原題そのまま、エリック・カールさんによる、ナンセンスな光景集。
前書きで、ルネ・マグリットの作品にささげます、とあるように、
シュルレアリスム的試みではないでしょうか。
ダジャレ風の訳が何とも愉快ですが、なかなか高度です。
やや風刺も入っているからでしょうか、
この味わいを理解できるのは、小学校高学年くらいからでしょう。
ただ、これはこれで、「ありえない」へのチャレンジ入門ととらえることができるかもしれません。
ネズミが言っています。
「ありえないことがあるから このよは たのしいんだぜ」
この視点、なぜか共感してしまいました。 (レイラさん 50代・ママ )
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