楽しみにしていたおでかけが突然なくなってしまうことは、子どもにとって、きっととてもつらいこと。 大人はその理由を理解できるから、我慢もできますが、子どもはなかなか難しい。
我が家でも、私と夫が仕事で息子の相手ができないとき、「ちょっと一人で遊んでてくれる?」とお願いすることがあります。 そんなとき、いつもではないのですが、息子は「一人で遊ぶの、つまんない」と不満そうに言います。 ふてくされる気持ち、よくわかります……。 でも、そんな気持ちを吹き飛ばしてくれるのが、ステッチさん。
ステッチさんは、針と糸でなんでも生み出すことができます。 まるで魔法使いです。 チクチク チクチク 刺繍で大きなテントを描いたら、サーカスのはじまりです。
ステッチさんは、ジャグリングが得意なピエロ、火の輪くぐりのライオンなど、次から次へとショーをチクチクと出現させていきます。
つまらないからと、いつまでもふてくされていたら、本当につまらない退屈な時間になってしまいそうです。 でも、ほかに素敵なことを見つけることができたら、きっととても楽しい時間に早変わりするはず。 そんな風に気持ちを切り替えられたらいいな、切り替えるお手伝いをしてあげられたらいいなと思える絵本です。
作者のMICAOさんお手製の刺繍は、ほとんどのページに登場します。 様々な物や動物が、刺繍で生き生きと表現されていて、絵のみで描かれた絵本とは一味違った魅力があります。 ぜひ手に取ってページをめくってみてくださいね。
(近野明日花 絵本ナビライター)
お父さんお母さんと楽しく過ごすはずだった日曜日。おじゃんになって、退屈になってしまったぼくの目の前に、ステッチさんが現れた。真っ赤なテントに招かれるまま入っていくと、そこは針と糸がうみだすワンダーランドだった。
お父さんお母さんと遊びにいくはずだった日曜日が、急にがっかりなことになってしまった。そんな男の子の前に、ステッチさんが現れます。ステッチさんが刺繍したテントに入ると、刺繍のサーカスが始まります。一見シンプルだけど、引き込まれる絵本です。 (ぼんぬさん 40代・ママ 女の子6歳、女の子2歳)
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