イギリスのシリー諸島付近は航海の難所です。ある夜、嵐で船が沈み、乗客30人が岩にしがみついていたとき、パフィン島の灯台守ベンが手漕ぎボートでやってきて、全員を救出してくれました。助けられた乗客の中にいた5歳の少年アランは、この夜のことを忘れず、ベンが描いた船の絵をもらって大切にしていました。学校を卒業するとすぐ、パフィン島に向かい、なつかしい灯台守に再会します。一羽の傷ついたパフィンを看病することで、ベンとアランは家族のように絆を深めていきます。パフィン島が、文字どおりパフィンでいっぱいの島になるまでを、人と人のつながりをからめて情感豊かに描きだす物語。オールカラーのすばらしいイラストに飾られた贅沢な作品です。
モーパーゴの物語は、いつも夢を与えてくれます。
このタイトルを見た時、なぜか若い頃に読んだパフィン・ブックスのことを思い出していたのですが、内容はまさかのジャストフィットでした。
ペンギン・ブックスを創設したアラン・ウィリアム・レインに寄せて書かれた物語だそうです。
戦争という時代の意固地な灯台守についても、心の中で合点が行きました。
感動的な作品ではあります。
日本の岩波文庫、岩波児童文庫にも匹敵するペンギン文庫、パフィン文庫を懐かしく思い出しました。
ちなみに遭難した船のペリカン号も、ペリカン・ブックも、岩波新書を連想させました。
作品の内容から離れましたが、思い出を探る物語に思えました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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