赤と黄色に色づくサトウカエデの葉。この木が大好きな子どもが、父と一緒に庭に植えて育てていきます。冬でも春でも夏でも秋でも、いつも喜びと驚き、発見がありますよ。
赤と黄色に色づくサトウカエデ。「わたしはこの木が大好き!」 カエデの春の若葉を、女の子は大切にしています。そして「きっと、この木は、わたしがうまれるずっと前に、森の中で種から芽を出して、長い旅を続けてきたんだわ」と、思いをはせます。 女の子は、ガーデンセンターで、さがしていたカエデの木を見つけました。そして、おとうさんと一緒に庭にこの木を植え、育てています。寝る前には「おやすみ」のあいさつをし、雪の日には枝に鳥のえさをつるしたりして楽しみます。春の若葉とカエデの種。夏には葉がしげり種がひらひら飛びます。でも、「わたしの庭のカエデを見たい人は、秋に来てください。なぜだかわかるでしょう?」 女の子は、四季折々この木といっしょに遊び、成長していくことでしょう。親子でガーデニングを楽しみたい家庭に最適の一冊です。 カエデの芽や葉や種のこと、木の植え方・育て方のわかりやすい解説が巻末にあります。
メイプル・リーフの目の覚めるような紅葉と甘い香りが、ここ北米の秋を包みます。子どもの送り迎えの行き帰り、色づいた葉を手にして、この作品のことを思い出しました。
こちらの学校では、秋になればひっぱりだこの人気絵本。色鮮やかなコラージュ仕掛けで知られるエイラトさんの秋絵本は、メイプル・リーフがテーマです。ここでも切抜き仕掛けが本当にきれい。娘は本物かと思い、葉っぱの切り抜きに思わず手を伸ばしていました。メイプル・リーフの種は子どもたちの間では「ヘリコプター」と呼ばれ、くるくる回りながら着地をするおもちゃのような存在です。そのコラージュを見たとたん、今日もヘリコプターで遊んだのか、娘は大喜びし、(コラージュの中には実写も混じるので)またまた本物みたいと手を伸ばして触ろうとしていました。ピーナッツバターの鳥のごちそうは、冬季になるとこちらではよく作ります。今年ももうそんな季節になったのか、と巡る季節の早さに驚いてしまいました。
身近な自然を絵本にしたこの作品は、わたしたちにとってそのまま生活の一部です。ここに登場するリスも、小鳥も、みな周りの住民。自然の美しさに感謝して、一日一日を大切に過ごそうと思いました。
同じくエイラトさんのコラージュの自然絵本に「にじのはなさかせよう!」があります。こちらは庭に花を植えようという内容。日本語版は品切れのようなのでぜひ再版を希望します。こちらも娘の大のお気に入りの作品です。 (ムースさん 40代・ママ 男の子10歳、女の子5歳)
|