上から読んでも下から読んでも笑って泣ける、波乱に満ちた大家族のドラマ
舞台は原始時代。大家族の旦那は朝から「けさのさけ(今朝の酒)」。 怒った妻は、「だんながなんだ!」と家出して「るすにする」。 泣きながら「つまをまつ」一家に、ゴゴゴゴ・・・と聞こえる「とおいおと」。 嵐の中、妻の危機を悟って駆けつけてみると「たいてきがきていた(大敵が来ていた)」。 巨大で凶暴なマンモスを相手に、旦那は妻を守れるのか?そして一家の運命は?
最初のページから素敵なラストシーンまで、お話し全編、すべての文章が上から読んでも下から読んでも同じ『回文』だけで綴られている、見事な出来映えの絵本。 ドキドキして、笑って、最後にはとても温かい気持ちに。 家の本棚から取り出して、家族で読んで笑って、家族の絆を確かめあえる、そんな作品です。
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
原始時代の大家族。「さああさ」、「パパ」は「けさのさけ」を飲む。 「ママ」はそれに怒って、「だんながなんだ」と家を「るすにする」……。 ママの家出から、すてきなハッピーエンドまで、おかしな回文でいっぱいの絵本! うえから読んでもしたから読んでも楽しいよ!
表紙の家族の団欒光景に似合わない「だんながなんだ」という題名。
しかし、すでに表紙から、波乱のきっかけが描かれています。
上から読んでも下から読んでも同じ回文でできた作品ですが、
なんと、回文の寄せ集めではなく、壮大なストーリーになっているのです。
原始時代の大家族に起こった夫婦喧嘩。
妻は出て行き、旦那はおろおろしますが、意外な方向にストーリーはグイグイ進みます。
そして、宮西達也ワールドの定番、「愛」が実に鮮やかに描かれます。
全くお見事としか言いようがありません。
子どもでも十分楽しめますが、どちらかというと夫婦というものを実感している
大人が読むと深く味わえるでしょうね。
回文の見事さと、愛のストーリーの二重で感動しました。 (レイラさん 40代・ママ 男の子16歳、男の子13歳)
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