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フランスの山岳地帯に一人とどまり、何十年もの間黙々と木を植え続け、森を蘇らせた男。その不屈の精神を感動的に綴る物語絵本。
南フランスのプロヴァンスの、人も離れていくような荒野で淡々と木を植え続けた男の物語。
失敗しても、失敗しても、黙々と作業を繰り返す男。
家族を失って孤独な境遇と男の生き様が、とても壮大なドラマを展開しています。
その地で男と出会った青年には、その行為がとても崇高なものに思えました。
第1次世界大戦で戦場に出た青年が、戦後心をいやすために再び訪れたその土地には、カシワの木が育ち始めていました。
緑化されていく土地は人々を魅了したり、伐採されたり、時代や社会に荒く扱われますが、男は黙々と木を植え続けます。
エルゼアール・ブフィエ氏の生き様は孤独であるだけに、一つの信仰のようにも思えます。
現在では緑あふれる場所となったプロヴァンス。
バック・フレデリックの絵からは土の匂いがするようです。
骨太で渋い絵本。
じわりじわりと心に響いてきます。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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