しいんとしている夜の待合室。壊れた5人のおもちゃたちが治してもらうのを待っています。ドアが開いて、出て来るおもちゃ、入って行くおもちゃ……。どんなお医者さんかな、ちゃんと治してもらえるかな。ドキドキ、ちょっぴり心配です。
診察室に入るとき、出るときの擬態語がこの作品の妙味です。入室のときは元気のなさそうな音、退室のときは元気いっぱいの音。1ページごとに小さなドラマが展開され、同時に順番を待つ緊張感が空間をぜいたくに使ったページ構成から感じとれます。 語りは一番最後のおもちゃの男の子が担当。待合室での思いが素直に語られ、同様の体験をする子供たちから共感を得ることでしょう。ページをめくるたびに小さな発見があるところも楽しい。「音」の部分をドラマチックに演出して読んでみてください。 ――(ブラウンあすか)
娘が幼稚園から借りてきた本。幼稚園に図書室があり、子供が各々好きな本を借りることができるのです。「『ドアがあいて』すごくおもしろいの!後で読もうね!」とワクワクした顔で何度も言われました。聞いたことない本だなぁと思いましたが、「そんなに面白いんだ」と私も期待。いざ読み始める際には興奮して「一人ずついなくなっちゃうの。最後の子がぽろって泣いちゃって・・」と説明を始めるので、「ちょっと待って。ママ読んだことがない本だから、秘密にしようよ」と言うと「そうだね。読もう読もう」と言いました。子供って思わずネタばらししちゃうところが面白いですね。
絵がとても可愛らしく(映画用に描かれた絵だそうです)、暗い待合室にも雰囲気があります(暗く怖い待合室でなくても・・と思ってしまいましたが、そのドキドキ感もたまらないようです)待っているおもちゃ達の表情が変わるのを見比べて爆笑。「ババビョン」や「パピョーン!」でまた爆笑。翻訳ものですが、子供に分かりやすい自然な日本語になっていて好きです。こちらでは意外と評価が低く(評価ランキング 7052位)、驚きました。幼稚園くらいのお子さんにとてもお薦めしたいです。
同じ作者の絵本を読んでみようと思います。が「あ・べ・こ・べ」1冊しかないようで残念。谷川俊太郎さんの翻訳なのでこちらを読むのも楽しみです。 (なかちぃさん 30代・ママ 女の子4歳)
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