まるくてくろくてにっこり顔のこのお方はいったいだれでしょう? みんなの家の台所にもきっとあるはず。このお話はあるお家のふらいぱんのふらいぱんじいさんが旅に出るお話です。なぜ旅に出るようになったかって!?それはこういうわけなんです。
ふらいぱんじいさんは、たまごを焼くのが大好きでした。 けれどもある日、おくさんが新しい目玉焼きなべを買ってきて、たまごを焼かせてもらえなくなってしまいます。 そこで、ふらいぱんじいさんは旅に出ることにしました。
「そうだ、ひろい よのなかに でれば、 この わしだって、なにか やれそうなものだ。よし、でかけよう。 あたらしい せかいで、だれかが わしを まっているかもしれない。」
初めて家の外に出たふらいぱんじいさん。外の世界はなんて明るくて広いのでしょう。空には小鳥たちが歌い、ふらいぱんじいさんは希望いっぱいに出発します。 けれどもふらいぱんじいさんの行く先には、困難がいっぱい。ものめずらしいふらいぱんじいさんは、ジャングルの動物たちに「かがみ」や「たいこ」と間違われたり、だちょうに卵をねだって蹴られたり。それでも砂漠を超え、海を超え、どんどん進んでいくふらいぱんじいさん。いっときの安らぎを得たかと思えば急に嵐がやってきたり、波乱万丈の冒険の旅が続きます。 はたしてふらいぱんじいさんは、何かを見つけることができたのでしょうか。
お話は全部ひらがなで書かれていて、字も大きく、読み物への入り口にぴったり。読み始めたらあっという間にひきこまれ、ドキドキワクワクがとまりません。そんな読み応えたっぷりのお話で子どもたちを一喜一憂させ、楽しませてくれるのは、『ちびっこカムのぼうけん』や『くまの子ウーフ』で知られる児童文学作家の神沢利子さん。そして、お話と合わせて大きな魅力となっているのが、堀内誠一さんの挿絵です。堀内さんの描く愛嬌たっぷりでユーモラスなふらいぱんじいさんは、すぐに子どもたちの心を掴むことでしょう。カラフルであざやかな色づかいは今でも全く古さを感じさせないほど、おしゃれで目をひきますよね。
『ふらいぱんじいさん』は、1969年の登場以来たくさんの親子に読み継がれ、2019年の今年で50周年を迎えます。 ふらいぱんじいさんが旅の途中で出会うさまざまな出来事は、子どもたちの心の深いところに残り、いざ広い世界に出ていく時の心強いお守りとなってくれることでしょう。この先も、50年、100年……とずっとずーっと子どもたちそして大人をも勇気づけてくれるこの名作を、大切に伝えていきたいですね。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
旅に出たフライパンのおじいさん。嵐にあったり、ジャングルでヒョウにであったり、冒険がいっぱい。
ちょっと、読み聞かせには長いかなぁ〜なんて思いながら
読み進めていくと、全然そんな事ありませんでした。
息子も、飽きることなくノンストップで聞いていました。
フライパンじいさんの楽しい冒険に、どんどん引き込まれていって
途中で、いじわるして「今日は、ここまでね」と言うと
「ダメダメ、いじわる言わんといて、もっと読んで〜」
こんな感じであっという間に読み終わってしまいました。
私の好きなシーンは嵐の後、小鳥を助けてフライパンじいさんの足で休む所です。
そして、最後に大好きなたまごを温めて、小鳥達と
ステキな余生を送れて、とても良かったです。 (プリチョーさん 30代・ママ 男の子4歳)
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