「どうも実に立派だね。だんだんペネタ形いなるね。」「うん。うすい金色だね。永遠の生命を思わせね。」−などと話しながら、なかよく雲見をしていた三匹の蛙たちが、その後、人間界で流行るというゴム靴をめぐって、どんなことになったか・・・・・・。 どこまでもみずみずしく、そして、どこかおかし味が醸し出される宮沢賢治の蛙たちの話を、松成真理子がいきいきと、味わい深く鮮やかに水彩画で描いた作品。
▼「宮沢賢治の絵本」シリーズ
【著者プロフィール】松成真理子 1959年、大分県生まれ。京都芸術短期大学(現 京都造形芸術大学)ビジュアルデザイン学科卒業。上京後、フリ−のイラストレ−タ−となり、現在は絵本・児童書中心に活動している。『まいごのどんぐり』(童心社)で第32回児童文芸新人賞受賞。主な絵本に『じいじのさくら山』『ふでばこのなかのキルル』(ともに、白泉社)『こいぬのこん』『いま なんじ?』(ともに、学研)『くまとクマ』(童心社)『せいちゃん』『ぼくのくつ』(ともに、ひさかたチャイルド)『ころんちゃん』(アリス館)『たなばたまつり』(講談社)。さしえの仕事に『かさじぞう』(広松由希子/文 岩崎書店)『かえるのじいさまとあめんぼおはな』(深山さくら/作 教育画劇)『はるねこ』(かんのゆうこ/文 講談社)などがある。
表紙の絵からは想像できないラストでした。
宮沢賢治の短編は今まであまり子ども向きと思われていなかったものまで、最近たくさんの絵本になっていますね。
私自身、この絵本になるまで、こんな話は知りませんでした。
蛙たちがあこがれて見上げている(?)空の雲がとても素敵に描かれていました。すごいです松成さん!!
でも、一番ウケたのは、閉じの部分に描かれた「長靴の広告チラシ」よ〜く探してみたけど、本文のページでは一度も使われていないのにもかかわらず、あえてこの、表紙カバーの閉じの部分描かれているところがよかったです!!そして、インパクトありました。
蛙同士の足の引っ張り合いだの、ほかの小動物とのやり取りだの、長靴ごときでいろいろなことが起きますが、最後はめでたしめでたしでホッとしました。
物語の全体も韓流ドラマみたいなストーリー展開で面白かったですよ。
絵は楽しいのですが、あまり低年齢のお子さんにはわかりにくいところもあると思うので、(「やまなし」も小6で習う地域もあるし)お薦め小学校高学年以上です。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子11歳)
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