皆さんしっていますか、オニはおにぎりが大好き。いつでもおにぎりを食べてばかりいるんです……って、本当?
でも、この絵本の主人公のオニ3人も、本当にいつもおにぎりを食べています。そしてある日、その事件は起こります。山で出会ったオニに驚いた人間が、慌てておにぎりを落としていったのです。それを(時間がだいぶ経ってから)拾って食べたオニたちは、そのまずさに驚愕し、何を思ったのか大量のおにぎりを作り始めます。
「こんなまずいおにぎりを食べているんなんて、人間どもがかわいそう!」 「待ってろよ、今すぐ美味いおにぎり届けてやるから!」
おやまあ、なんと立派な勘違い。信じられないくらいお人好しです。この分だと自分たちが人間から怖がられているなんて、嫌われているなんて、これっぽっちも気が付いてないのでしょう。さて、どうなる……?
ここから先の大騒ぎは、絵本を読んでのお楽しみ。ちょっとやそっとじゃめげないオニたち、心底おにぎりが好きなのでしょう。その心の強さに驚きを通り越して、笑いが止まらなくなるのです。シゲタサヤカさんの作品の真骨頂はここにあるのでしょうね。とにかく力づくでも明るい気持ちにさせてくれるのです。そして、最高の終わり方をするのですが、ヒントはタイトルにあるんですよ… 想像してみてくださいね!
読み終わったあとには、カバーを使った「おにぎりになれる」(!?)という特典付き。さあ、まるごと1冊楽しんじゃってください。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
おにぎり好きのオニ達が、人間の落としたおにぎりを拾って食べて、大ショック! 「ひどすぎる!こんなまずいおにぎり、食べてるなんて!」 「おれたちが、ほんとうのおにぎりの あじを おしえてやる!」
毎日おにぎり弁当を持って登園する、おにぎり好きの息子と
全ページ試し読みで読ませていただきました。
人間が落としたまずいおにぎりを食べた、おにぎり好きのオニたちは
美味しいおにぎりの味を教えようと、人間の町へ。
でも人間達は逃げてしまって・・・。
美味しいものを食べさせて、喜んでもらいたいってオニ達の気持ち
母にも分かる、分かる。
頑張りどころがちょっとずれていて、なかなか伝わらないオニゴコロを
笑いつつ、応援したくなります。
息子も、残った大量のおにぎりをやけ食いするオニ達に
「だーかーらー、オニが怖いんだって」と教えていました。
それにやっと気づいたオニ達、まっとうな対策を講じるかと思いきや
・・・そうきちゃった?!
本を閉じて、タイトルに納得、でした。
シゲタさんの作品でも、コックさんの絵は怖がった息子でしたが、
オニの絵は大丈夫で、お話も気にいったようです。
明るい気持ちになれる絵本、園児さんから小学校低学年のお子さんにおすすめです。 (ランタナさん 40代・ママ 男の子8歳、男の子6歳)
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