とても強くて勇敢な英雄が消えた!?
昔、アディ・ニハァスという村の12人の男達が、粉をひいてもらうために、マイ・エデガという町へ行った。帰り道、一人が仲間を数えてみたら、なんと11人しかいない!いなくなった一人とは…。読み聞かせに楽しいエチオピアの昔話。幻の名作絵本の新装復刊です。
久しぶりに息子に読み聞かせをしてみたら終わった後一言「あほ」でした。
この本に関する感想で一番短い感想ではないでしょうか。
二年連続して子ども会に関係する役員をしているので、点呼して全員の人数を数えるという場面によく出くわします。
数えていくと「あれ?一人足りない」ということはよくあることで、そのたびにこのお話を思い返すようになりました。
そんなときに「自分を数えた」という確認も常に入るのですが、さっきまでいたはずの人で誰がいない?となると、案外わからないことがあります。
メンバー表で確認するという発想がない時代、こういったことはいかにもあったかのように思われます。
小学4、5年生のクラスで読み聞かせをしてみました。どのクラスでも自分を数えないというところで、笑い声がおこるのですが、だんだんと話が進んでいくと、この話の渦中に巻き込まれていくのか、だんだんとシーンとなってくるのです。
一人数えていないということがあらかじめわかっていても、大勢の中にいると雰囲気にのまれるというのか、体制に流されるというのか、集団でいる時には、個人で動くとはまた別の気もちが生まれます。
私は息子のように「あほ」と言いきれるほど、端的にはこの話はとらえきれず、こういうことってあるかもなあ、あるだろうなあと思えるのでした。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子11歳)
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