宮澤賢治といえば誰もが思い浮かぶ「雨ニモマケズ」という言葉。 そのあまりにも有名なフレーズが、一節ごとに力強く迫力のある版画で表現した絵本になった! そう聞いただけで、興味をひかれてしまう人は多いのではないでしょうか。 「画本 宮澤賢治」は、画家小林敏也さんが装丁から造本まで含め、賢治の物語を表現するためにこだわりぬいた絵本シリーズです。幻想的であり強く心に引っかかる場面がいくつも存在する賢治の世界を、様々な技法を用いて見事に視覚化しているそのシリーズ。この度、好学社より待望の復刊となりました。
幻想的な物語が多い賢治の物語の中で、質素で堅実、地に足のついた言葉が続く「雨ニモマケズ」。 賢治そのものを表しているともいえるその一つ一つのフレーズには、こんなにも広がりがあるのか・・・と、ページをめくるたびに感動させられてしまいます。 「雨ニモマケズ」では、雨の中低空飛行をするツバメの絵。 「風ニモマケズ」では、大きな風にもびくともしない立派な木が描かれ、 「雪ニモ」では、白銀の世界で飛び回る獣のような生き物、「夏ノ暑サニモマケヌ」では…。 どの絵1枚とっても、その迫力と美しさ、世界観に目を離せなくなります。
賢治の一言一言をかみしめ、その意味を考え、自分のものとして考える。 そんな味わい方をするには、最高の1冊なのではないでしょうか。 子どもは子どもなりに、大人は大人なりにしっかりと楽しめる賢治の絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
あまりに有名な宮澤賢治の「雨ニモマケズ」。その世界を一節ごとに、小林敏也による迫力ある版画で表現しています。卓越した版画の技法と、用紙や印刷にまでこだわりぬいた造本で多くの読者に支持されています。
「雨ニモマケズ」。
宮沢賢治のこの詩のよさがわかるようになったのは、大人になってからでした。
それなりに社会を知り、自分の情けなさも感じ、今になってこの詩になぜだかウルッときてしまう。
版画絵というのもまた素敵ですね。
自分好みのイラストの1冊を手元にほしく思いました。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子10歳)
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