ナビでは「友だちのとびら(高学年向け)」に入っている作品です。
(改めてみてみると、いいジャンル名ですね〜)
作中、5年生の主人公たちが林間学校に行った時のシーンで、「登山レベル」が高いほうと低いほうに分かれている。というくだりがあって、「うちの子たちの通っていた小学校と同じだわ」と思っていたら、作者は埼玉県出身…。もしかしたら近隣の人だったのかもしれないなんて、ちょっとワクワクしてしまいました。
講談社児童文学賞を受賞したばかりの新人の作家さんですが、とても読みやすいです。
言いたいこと・見せたい世界がしっかり描かれているのに、余計な説明がないところがとても好感が持てました。
このページ数で、1学期の4か月のことだけ(夏休みのエピローグ的なシーンを入れても5か月くらい)を描いているのに、詰め込みすぎた感がないのがとても不思議でした。
タイトルもインパクトがありますし、表紙絵は(あさのあつこさんの「バッテリー」の挿絵を描いていらした)佐藤真紀子さんですから、本の内側から“読んで〜!”訴えかけてくるものがものがありました。
物語ならではの生い立ちや展開はあるものの、
10代の子だもたちが共感できる「友情」が伝わってくる作品でした。
わたしは親なので、どちらかというと、主人公の親や担任のほうに気持ちが近かったけれど、楽しくスイスイと読みました。
小学校高学年から中学生くらいのお子さんたちにお薦めです。