赤羽さんは、福音館書店から出されていた『セロ弾きのゴーシュ』を見て、絵本の仕事をされたいと思ったそうです。
同じ宮澤賢治作品ということで、赤羽さんなりの覚悟で臨んだ作品らしいことが『絵本よもやま話』にありました。
この作品を描くために、雪山に十日ほどいて、吹雪の日に山に登り、印象をメモされたそうです。
それだけ聞いてもすごいと思いましたが、この作品では筆だけでなく、ボールペンも使われたそうで、
それを聞いたら、絵をじっくりと見つめたくなりませんか。
以前に黒井健さんの『水仙月の四日』も読んだことがあり、硬質な雪の風景を美しく描かれているなあと思ったことがありました。
赤羽さんの描く世界は、さらに和物の世界というのか、雪童子が日本的な感じがあり、作家さんによるイメージの仕方の違いを感じました。
吹雪の日にメモをとってイメージされたことや、元々雪国のスケッチやスライドを撮られていたということが
とても活かされている作品だと思います。
赤羽さんご自身はこの作品が一番お好きだったということです。
ぜひ読んでいただきたい作品です。