西村繁男さんの懐かしい雰囲気のする挿絵に惹かれて手に取りました。
子どもたちがだんだん山でソリ滑りをして遊んでいます。一人の女の子「いっちゃん」だけ、ちょっとこわくてなかなか滑り出せません。そこへ、反対側から登ってきた動物たちの中にいた子ぎつね「いっちゃん」と出会い、同じ名前、しかもふたりともそりすべりがこわいという共通点で仲良くなって、一緒に練習することになりました。
子どもたちと動物が一緒にいる様子が、ごく自然に描かれていて、本当にある景色のような気分になってきます。
一緒に読んでいた子どもたちは、子どもたちが使っているプラスチック製のそりと動物たちの使っている木製のそりをみて、「なんで違うの?」と不思議そうにしていました。時代も超えた世界が混ざりあっていて、なんとも不思議で楽しい空間です。