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お父さんは写真家、ダニエルはイメージ世界の絵描き。 なんだかマクリントックの自伝的絵本のようです。 同じものを見ながら、限りなくイメージを膨らませていくダニエル。 とても素晴らしい才能です。 でも、この絵本では空想の世界とは別に、実に緻密なバーバラ・マクリントックの世界があります。 『シモンのおとしもの』、『シモンのアメリカ旅行』と見てきて、マクリントックの絵の緻密さが、お父さんの写真の影響を受けていることを感じました。 風景の細かいところまで写実できる才能と、限りない想像力がマクリントックの世界。 作中では、ダニエルの才能をみいだしてくれた画家のカミーユ・ブトンも大きな存在です。 絵が楽しめる絵本です。
投稿日:2012/05/15
バーバラ・マクリントックと言えば、「ないしょのおともだち」「シモンのおとしもの」等を読まれた方も多いと思います。 そんな彼女の一部自伝的作品です。 また、2006年度の小学校中学年の読書感想文コンクール推薦図書にもなっていました。 物語の主人公のダニエルは、絵を描くのが大好き。 変わったものを描くとある通り、擬人化した動物の絵は、それこそ空想の翼を広げたもので、見るものを魅了すること間違いありません。 ただ、この作品では、ダニエルの絵を写真家である父は決して認めることをしないという設定です。 見たものを忠実に写すという職種からすると、止むを得ないのかも知れません。 そんな時、出会ったのが、画家のカミーユ・ブトン。 何と、彼女の描く絵は、ダニエルの描く絵とそっくりなのです。 ブトンは、ダニエルの素質を認めて、助手として採用することになるのですが、他人と違っていても決して気にすることはないと、さり気なく諭してくれる作品です。 そして、最後の父の一言が、心の琴線に触れるものでした。 「この子はこの子で、じぶんの道を見つけたんだな」 どうです、いい言葉ですよね。 何と言っても、バーバラ・マクリントックの絵が、絶品です。 彼女の描く絵は、どれも好きなのですが、今回は空想の絵が中心となっているので、なおさら魅了されました。 また、ストーリー自体も、一寸飛躍し過ぎの感はあるものの、ダニエルの絵に打ち込む姿や、それを理解するブトンの行為を鑑みると、思わず素敵といわざるを得ません。 伊達に読書コンクールの推薦本になっていないことが、容易にうかがい知れる素晴らしい作品です。 小学校中学年対象ですが、それより低年齢でも充分に楽しめると思います。
投稿日:2012/02/22
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