知らないから勘違いをすることはよくある。
この『みんなたいぽ』という絵本の場合、
文を書いたのがマヒトゥ・ザ・ピーポーという人で
絵を描いたのは絵本界の大御所荒井良二さんで、
マヒトゥ・ザ・ピーポーさんのファンには怒られそうですが、
てっきり荒井良二さんが海外の作家さんの文に絵をつけた
珍しいケースだと思ったわけです。
ところが、マヒトゥ・ザ・ピーポーさんというのは
日本のロックバンド「GEZAN」のボーカルで、
その活動以外にもさまざまな人たちとコロボをしていたりする
気鋭のアーティストなんですね。
道理で、文と絵がうまく連動していたはずです。
ストーリーはちゃんとあります。
まじめなおまわりさんが主人公。
悪い人たちを次々と逮捕していきます。
そのうちに悪いのは人だけではなく、
言葉や音も悪いのだといわれ、それらも逮捕してしまいます。
いやいやもっと悪いのは、自然を破壊する人間全部だと気がついた彼は
自身を含め人間全部逮捕してしまいます。
奇想天外といえばそうですが、
最近の異常気象とかウクライナや中東での争いに見ていると、
本当に人間全部を一度逮捕しないといけないのではないかと
思ってしまいます。
そして、何よりこの絵本の魅力は荒井良二さんの迫力ある絵。
原画で見たくなる、そんな絵です。