ダンボール紙を思わせる装丁が目を引きます。
落書きのようなイラストなのですが、憎めない可愛さ。真っ黒に灰色、夜の場面が素敵でした。
ダンボールくんは常に一人ぼっち。一緒になろうとあれこれ頑張ってきますが、、見向きもされないうちにやがて疲れてしまいます。やがて出会った男と心が通じ合って・・・。
友達を作ろうとけな気に頑張るダンボールくんがいじらしく切なくもありました。
ダンボールは様々な形に姿を変えることが出来る。子供の創造性を広げるには良いですね。ラストの意味が分かりませんでした。
著者はフランスの方です。作者紹介に「環境・ホームレスといった日常に潜む哲学的問題を取り上げている」とありました。このお話は短いながら大きなテーマを提唱しているのではないでしょうか。恥ずかしながら私はフランスの情勢を全く知らないのですが、同国における下層社会に問題を提起した作品の印象を受けました。