オチが笑えないだけに、少し不気味なお話です。
空から落ちてきたのは何だったのでしょう。
何かが落ちてきたことに動転して、王さまに知らせなきゃと、夢中で走るめんどりははたから見ると滑稽です。
そのめんどりに、考えることもなく雷同してしまう鳥たちはもっと滑稽です。
でも、その滑稽さがとんでもない結末を迎えるのですから皮肉です。
悪知恵の働くきつねからすると、自分の食料が向こうからやってきたのです。
きつねの穴に誘い込まれて、鳥たちは次々と首を捻られてしまいます。
おんどりの悲鳴にめんどりだけが助けられて、難を逃れることができました。
めんどりは、空が落ちてきたことを伝えることができませんでしたという、オチらしからぬオチです。
でも、問題は別のところにあるのでしょう。
きつねのような悪は、実はいたるところにいるのです。
この昔ばなしは、笑い話でも寓話でもありませんが、結構辛辣です。