すさんだ街で暮らす、すさんだ心の私が、行きずりのおばあさんとの約束を守ることによって、自分自身も街も人々も変えていったというお話。街を植物で潤わせていくストーリーは、バーバラ・クーニーの「ルビナスさん」をちょっと思い出させます。
簡潔で美しい文、センスを感じさせる絵・・・。素晴らしい文、絵、訳のハーモニーのおかげで、素敵な絵本を読むことができる幸せを感じました。表紙を開いてまず見る見返しから、裏表紙を閉じる前の見返しまでの、色彩の変化!変わるってこういうことなんだ、変わったらこんなに心がわくわくするんだ・・・と一目瞭然。
大きな子向けの、一見地味なこの絵本を、自分から手にとる子どもは、ほとんどいないのではないでし ょうか?身近なおとなが手渡したり、または学校での読み聞かせやブックトークの活動を通して、多くの子どもたちのもとに届いたら良いなぁと思いました。