私はこの話を読んで、一体、おうさまのたからって何だったんだろうと考えさせられました。話の中で絵で表されているように、光る星という単純な答えじゃないような気がするからです。そして、むしろ、人は誰もが箱を持っていて、おうさまのように、自分の宝物を自分自身で探さなければならないという強い思いが暗示されているような気がしてなりませんでした。奥深いですね。
絵のタッチや色遣いは私好みでメルヘンチックな感じすらするのに、それとは裏腹に作者:糟谷さんの問いかけに、正直なところ、戸惑いを感じました。え? じゃあ、私の宝物って、一体何なんだろうと。その答えは人によって全然違うんでしょうね。そして、話が終わった次のページに、糟谷さんの光るものの話がちょろっと書いてあり、それって夢や希望、志みたいなもののこと?と感じました。なるほど、そうであったならば、光り輝くものですよね。
絵は子供向きだと思うのですが、実際はあまり小さすぎる子向きではないような気がします。おうさまがたからもののヒントをつかんだように、私も内省してみようかなと思わされる話でした。