シリーズ前作、「あべこべの1日」のほうでも感じたのですが、
作者の神沢さんはこのシリーズを“終わりよければすべてよし”という終わり方を前提に作られているのかなぁ〜と、思いました。
この本が発行されたのは2015年で、近年『痴ほう』の家族を抱える家庭が増えてきて、ニュースや関連書籍など目にすることも増えてきました。
このお話に登場する“おばあちゃん”は大好きなモモコさんの実のおばあちゃんでした。
ワニくんはモモコちゃんのお父さんのジローさんと間違われ、おばあちゃんに連れまわされてしまうのですが、どうやらそれは病気・痴ほうの精だったようです。
時間軸がくるって、昔のことが今のことのように思われる。だから、年の違うモモコさんのお父さんとワニくんを間違えていたんですね。
物語の中で、おばちゃんの病気のことに関して詳しくは触れていませんが、実は大きなテーマはここにあるような気がしました。
よいお話でしたが、やはり内容も絵も描写が細かい部分があるので、大勢が参加する読み聞かせなどにはあまり向いていない作品だと思います。
取り扱っているテーマも意外と大人向けのような気がしました。
なので、どちらかといえば小学校高学年以上、むしろ中学生や高校生、福祉や看護の仕事を考えている人たちにお勧めしたいです。