無実の罪に着せられ、矯正キャンプに連れて行かれたスタンリー。
そこはキャンプとは名ばかりの、見渡す限り干からびた土地が果てしなく続く、かつての湖の底だった。
過酷な環境の中でスタンリーは日々、きめられた大きさの穴を掘る毎日を送るのだが、それには隠されたある理由があった。
主人公スタンリー・イェルナッツはひいひい爺さんがある約束を守らなかったばかりに、まったく付いてない人生を送ってきました。
実はこれ、主人公を面白おかしく、誇張するための、ただの設定だと思っていたんですが、それこそがとても重要な要素だったのです。
作中所々に110年前の描写が出てきますが、最後まで読むと、すべてが見事な伏線だったと気付くんです!
最初は辛い描写にめげそうになりますが、スタンリーの成長、友人との出会いなどで変わっていく姿にひきつけられ、考えをめぐらせ、自ら窮地を脱出しようと頑張る姿はとても逞しいです。
子どもだけだなんて、もったいない!
大人も十分楽しめる作品です。
既に映画化されているそうなので、ぜひ見てみたいです。