最初この本を読み終えたとき、なんともいえない不思議な空間にいたような錯覚にとらわれました。まるで、宮崎アニメの世界にいるような感じです。
でも、この空気がこの本の最大の魅力のような気がします。
かおるがおれんじのとらねこに導かれ、お父さんのお迎えに行くお話ですが、途中乗った車両が動物専用車両だったり、摩訶不思議。
そして、最後にかおるがお父さんに無事会えた時までとらねこはいたのですが、それ以後は全くかかわることなくお話は終わっています。
「このとらねこは何だったのだろう。錯覚かな?子供にだけ見える何かなのかな?」
と、いろいろ想像して後に引くお話でした。
全体的にレトロな感じの絵、不思議なストーリーですが、しっとりとした雨の日に読むといいのではないかと思います。
かさもっておむかえの本のなので、これからの季節におすすめです。