27歳で失明した著者の郡司さんは元来犬嫌いでした。
でも母親になりたい!という希望をかなえる為 盲導犬とパートナーを組むことを決意し訓練所に通い始めます。
そこで郡司さんは黒のラブラドールのベルナと出逢います。
盲導犬はひとたびハーネスをつけるとしっかりと「仕事だ」と自覚し、例え自分が心無い他人にタバコの火を押し付けられようと一切吠えない、ただ我慢しパートナーの誘導を最優先するのです。
そのベルナの姿勢を郡司さんが肌で感じた時にぐっとふたりの距離が縮まり、信頼関係が芽生えていったのだろうと思います。
ベルナと過ごして程なく郡司さんは待望の赤ちゃん、幹太くんに恵まれます。
ベルナは幹太くんの成長にも大いに欠かせない存在。
ハイハイをはじめたばかりの幹太くんはちっともじっとしていない、そんな幹太くんの動きをベルナはお姉さんのように優しく見守り、目の見えない郡司さんの目となり郡司さんを助けるのです。
でも小さい幹太くんの世話に明け暮れる郡司さんに構ってもらえないからかベルナは時々イタズラをしたりして気を引いたりするのがまさに第二子にお母さんをとられて赤ちゃんがえりをする長子みたいで、笑ってしまいます。
しかし、幹太くんが成長するにつれてベルナは老いてゆく。
白内障と老衰と闘うベルナと郡司さんの姿はウルウルものです。
犬は感情が豊かだとは聞いていたけれど
こんなにもなのか!と驚きしきり、、、でした。