感受性豊かな3才の娘は、猫が死ぬ度に、「かわいそう」と悲しんでいました。
人を愛することで天に召されるというラストは、娘が好きな「人魚姫」と同じなのに。どう違うのか娘に問うと、人魚姫は最後に笑っている絵だが、のらねこは泣いている、と。「でも、天国では白いねこと仲良く暮らしていると思うよ」と私が言うと、「それならいい」と笑ってくれました。
論理的な6才の息子は、「これは、泣いたら生き返れないシステムなんだよ」と分析する。それが本当なら、私は絶対生き返らない。家族を失ったら、100万回以上泣くからだ。そのかわり、生き返らなくても、ペットにでも生まれ変わって、また家族のそばにいたいと思った。
ありがちな「めでたしめでたし物語」ではないので、小さい子供が読むと、淡々とした文脈や、絵で「悲しいお話」と思うかもしれない。でも子供が成長するにつれ、どうしてねこは死ぬのが平気だったんだろうと考えたり、ねこと自分を重ね合わせたりするだろう。成長に合わせて、物語への感じ方も変化するに違いない。
何回読んでも、新鮮。このような本が、本当の名作なんだと思う。