とても素敵な色彩で丁寧に書かれた水彩の図鑑です。
こどもが四季折々いろいろな場面で遭遇する
身近なしょくぶつばかりが取り上げられていることが
この本を手に取って一年経つとよく分かります。
例えば、ついつい、「春の花」というと
チューリップや桜、菜の花などを思い浮かべてしまいがちですが、
本当にこどもに近しい植物というのは
そこらへんの野原に咲いているたんぽぽや、おおいぬのふぐり
だったりするわけです。
そういった、すごく地味なものにもきちんと触れられていて
作者さん、編集さんのあたたかな視線が感じられます。
また、野菜の項においても、
夏野菜が畑になっている様が描かれていますが、
八百屋さんやスーパーに並んでいる姿だけではなく、
枝になっていて、ごちゃごちゃとした緑の茂みから
これはトマトの葉っぱだな、あ、実があったぞと
分かるようになるということはとても大事だと思います。
息子は一歳すぎた頃にこの本をいただき、
「これはなぁに」で随分覚えましたが、
二歳になった今はまた違った風に図鑑を楽しんでいます。
外から帰ってきて確認するような、使い方もできてきています。
早いのでは、と思わず、図鑑を手元においておくことの良さを実感しました。