感想を寄せておられる方の多くが「自信を持っておすすめしたい」ではなく、「なかなかよいと思う」に一票を投じておられるのがわかる気がします。
よくないわけではないのです。読むと、どんどんおなかがいっぱいになって、もう結構です。になってしまうのです。
でも、ぜひ、読んでいただきたい。
だれでも想像したことはないでしょうか、空からジュースが降ってきたらなあとか、ケーキが落ちてこないかなあとか。この本では、それが本当に起こっています。自分の空想が、現実に起こっているようにみえて、最初はうれしくなりました。食べるための、食欲を満たすために料理しなくても、3食降ってくるんですから。お母さんとしてはうれしい限りです。
でも、おなかいっぱいになってもまだ降ってきたり、好きなものではないものが降ってきたりしたらどうでしょう。話を読みすすめるうちに、もういいです、もう結構ですって気持ちが心にいっぱいになりました。
食べ物が町にあふれていくようすなどは、食べすぎたり、残しすぎたりする今の現状を風刺しているかのようです。食べ物という恵みを感謝していただく気持ち、それを思い出させてくれる、そんな一冊かなとも思いました。