【あらすじ】
つるばら村にある「ひまわり洋品店」に訪れる、不思議なお客様たちの物語、12編。洋服の他にも、シーツや小物、手芸用品などのちょっとしたものも扱っています。
【感想】
季節によって、いろいろなお客様が訪れ、季節の移り変わりや昔ながらの素朴な行事などを思い描き、村の暮らしを楽しみました。
洋品店は、意外と繁盛しているようで、品ぞろえにも柔軟性があり、みんなに愛されている様子が感じられます。つるばら村の住人は、あまり商売が上手とは言えない気もしますが、ここの奥さんはしっかりしていて、いつもきっちり売り上げを頂いているのがステキ。生活力がありますね。
地に足がついたファンタジーで、大好きなシリーズです。
今回は、主人公の洋品店の女主人の家族も登場して、みんなが不思議な世界を楽しんでいました。このシリーズは、自然の生き物と人間が心を通わせて、お互いがうれしくなるような交流をするので、気持が温かくなります。清々しい、ほっこりする物語が満載です。
一番好きなお話は、「聖夜の星」です。子どもに希望の星を与えると、その子は一生、希望の星とともに生きていくようになるという。年をとっても瞳の中に希望の星があって、毎日鏡を見ると、それがわかるという…そんなイメージが浮かび上がって、素敵な気持ちになります。
「イノシシの焼き芋」という話も、なかなかユーモアがあって、楽しい。こちらはぐっと現実的なファンタジーですが。他にも紹介したい話がいっぱいありますが、是非とも続きは実際に本を読んでみてください。