「これから、
たぶん ほんとの はなしを します。」
まるで、
これから、不思議な手品を見せます
と言われたような、妙な気持ちになりました。
この冒頭から、もう心を掴まれていたのだと思います。
1ページずつ、
「たぶんほんと」の事を読んでみると・・・
あ、これはほんと!
これは・・・たぶんほんと!
満足して、ページをめくって、
前のページが気になって、もう一度開いてみる。
よくよく考えるとその通りなのだけれど、
もっとよーく考えてみると、「たぶん」と付けたくなるような・・・。
うーん、やっぱり、
手品を見せられているような気持ち・・・。
すごい!と思うのに、ちょっとだけ疑ってみたくなるような。
そのうちに、右ページいっぱいに描かれた 個性的なイラストに目を奪われて、
もっと考えたいような もう考えたくないような、
ぼんやりとした気持ちになってきます。
イラストレーションとは、何かを伝えることだと
本で読んだことがありますが
それぞれのイラストから、向こうの世界の空気がビシビシと伝わってきて
こわいくらいに、引き込まれてしまいました。
この絵本が発売されたばかりですが、
もう早速、次回作を読みたいです。
間違いなく、心をとらわれる絵本です。