ロウヒは魔女。その気になれば、なんでもできます。鳥になって空を飛ぶことも、魚になって水の中を泳ぐことも。でも、ロウヒがしたかったのは、もっともっとゆかいなことでした。
月と太陽をひとりじめしようとしたイタズラ者の魔女ロウヒ。フィンランドの叙事詩カレワラに触発されたクーニーが贈る美しい絵本。
この作品に登場するロウヒとワイナモイネンは、フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」に登場した重要な役割を果たす人物です。ロウヒは、ポホヨラという北辺の地にすむ邪な女主人、ワイナモイネンは知恵と勇気にあふれ、音楽の才能ももった、賢者とされています。
原点との違いはいくつかあるそうですが、「カレワラ」では、ロウヒはもっと邪悪な存在として描かれているそうですが、クーニーさんの再話によって、悪戯な魔女に描かれている事にイラストの素晴らしさは勿論ですが、クーニーさんの優しさが伝わって参ります(o^_^o)
民族叙事詩は、語り継がれていくお話でございますので、こうして、又、ロウヒのような魔女が現れ、悪戯で悪さをしないように願いたいものですね。
個人的に、ロウヒは偵察の為に、最初は鷹になり、恐れをなし改心した後には、鳩になってわざわざ報告に行くところが、何とも滑稽でホッとしました(o^_^o)
楽しいですとか、面白いという作品ではございませんが、バーバラ・クーニーさんの味わいのある世界を楽しんで頂ける作品だと思います♪