介護施設で読み聞かせをすることがあります。
デイサービスでの読み聞かせと、老人ホームでの読み聞かせでは、雰囲気がかなり違います。
施設という生活空間の中で孤立感を深めている人たちは、軽度であれば快く迎えてくれます。
重度となると反応そのものが失われていきます。
認知症のことを考えながら、エミリアさんの生活を見ていくと、面会に訪れたバッレくんとのやりとりに様々なことを感じました。
進行していく症状を感じ取ることができます。
バッレくんの訪問が、エミリアさんの心を和やかにしているのでしょう。
バッレくんの名前を間違えたり、誰だか分からなかったり、まだらな世界を生きているおばあちゃんですが、やはり自分を現実の世界に引き止めてくれているのはバッレくんです。
バッレくんの繊細な思いやりも感動的です。
アクの強い絵が刺激的です。
老いを考える絵本としてしておすすめです。